ワニなつノート

信頼という贈り物

信頼という贈り物


「がっこ? ぼく、がっこにいくの?」
「そうよ。春になったら一年生ね」

「いちねんせい?」
「そう、幼稚園の次はみんな、小学校へいくのよ」

「みんなも?」
「いっしょよ。みんなおんなじ一年生」

     ☆

「しょうがっこって、どんなところ?」
「子どもがいっぱいいるところよ」

「ようちえんもいっぱいいるよ」
「そうね、小学校には、幼稚園より大きなお姉さんやお兄さんの子どももいっぱいいるわ」

「ふーん。みんなでなにするの?ようちえんとおなじ?」
「そうねー、学校には勉強があるわね。」

「べんきょう?」
「そう、本を読んだり、字を書いたり、花を育てる勉強や、歌ったり、なわとびやサッカーのべんきょうもあるのよ」

「がっこって、べんきょうするところ?ぼく、べんきょう、すきじゃないよ」
「そうね、でも勉強だけじゃないわよ。お友達といっぱい話したり、遊んだりできるし…」

「ようちえんでもいっぱいあそんでるよ」
「そうねー、学校は、子どもに信頼をあげるところ、かな」

「しんらいをあげるの?」
「そうよ、お友だちが大切な仲間だって感じること。学校のお兄さんお姉さんたちを信じること。先生や大人が、子どもの味方だって感じること。そうして、大人になって信じられる社会にでていくのよ。だから、人間を信頼できる大人になるために、「信頼」という思い出をいっぱいつくるところなのよ」

「ふーん。ようちえんとおなじだね」

     ☆

「ねえ、しんらいってなに?」
「そうね、まだ難しい言葉ね。…あなたの「信頼」って何かしら…。絶対、何があっても、信じられるもの。あなたがどんなに大変なときでも、どんなに怖い敵がいても、あなたの味方でいてくれる……」

「ウルトラマン」
「そうね。そうね。ウルトラマンね。信頼って、そういう気持ちのことよね。何があっても私の味方だって思える気持ち。」

「でも、ウルトラマンはそんなにいっぱいいないよ」
「そうね。でも、みんなウルトラマンじゃ面白くないわ。
だから、あなたはあなたのウルトラマンに会いにいくのよ。
あなたが信頼できるおともだち。あなたが信頼できるおとな。
そういう人に出会って、いっぱいお話して、いっぱい遊んで、
いっしょに勉強もして、一緒に笑って、
出会ったり、別れたりしながら、
そうしてあなたが大きくなるあいだに、
あなたのなかに信頼がいっぱいたまっていくのよ」

「ぼく、本物のウルトラマンの方がいいなあ」(o|o)
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