蜘蛛の糸の助け方
「なぜ助けてと言えないのか?」
その言葉にずっとこだわっている。
たどり着いた答えの一つが、「蜘蛛の糸の助け方」だった。
天上から、説明もなく蜘蛛の糸を垂らす、一方的な助け方。
「これは俺の糸だ」と「主体(自我)」をみせたとたんに消える、救いの手。
それは「主体」を持たずに「助けられろ」という助け方だった。
そして、雲の上のお釈迦様は悲しげな顔で去る。
そこには、《助けを拒否する人をどんなふうに支援すればいいのか?》と問う記事と、同じまなざしがある。
そういう「助け方」は、あの世にもこの世にもあふれているね。
□
「なぜ、助けてと言えないのか」
「ふつう学級をあきらめれば、助けてあげるのに」
「なぜ、普通高校なのか」
「希望者全入の《高等部》なら、助けてあげるのに」
□
何を大切に思うかは一人一人違う。
「あなたは何を?」
人には譲れるものと譲れないものがある。
「あなたは何を?」
なぜと問う前に、それが先だろ。
その答えが、「ふつう学級」や「普通高校」であるとき、
「なぜ」という問いは、もはや「問い」ではない。
相手の「主体」をなしにする、ただの呪文だ。
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