《この社会は「入試」を利用して15歳の子に何をしているか?》(その19)
《この子たちは「入試」を利用する社会に何を伝えてきたか》(その2)
入試から、ひと月が過ぎる。
入学式も授業もなくなって、子どもたちが黙って悲鳴をあげている。
それでも99%の子どもには希望が残されている。
今の状況が終われば、また元の日常が帰ってくる。
学校に行けば、友だちにあえる。
学校に行ける。みんなに会える。
定員内不合格というものが、どれほど残酷な仕打ちか。
いまなら、誰でも分かるだろう。・・・か?
3月に「定員内不合格」にされた子どもたちのことを、誰が覚えているだろう。
半年前に、7年間定員内不合格にされたまま人生を終えた子がいたことを、誰が覚えているだろう。
いまは、こんな時だから。
そんな余裕もないだろうか。
でも、こんな時だから。
聞こえてくる声もある。
□
《RONIN》
小中学校の9年間、そこで共に生きて。
小中学校の9年間、そこで共に学び。
そして高校で学ぶという意思を固める子ども。
この世界で、自分で学び見つけた、自分の「身の置き方」「身の置き所」。
小中学校の9年間、そこで共に生きて、共に学び、みつけた自分の生きていく道へ、みんなと生きていく道へ、必死で手を伸ばした。
自分が自分らしくいられた生き方を続けるための学び。
もっとも生き生きとし、もっとも安心する自分を表現できる、「身の置き所」を、自分で決める。自分で学ぶ、学び場を探している。
コミュニケーションができない?
誰よりも強くコミュニケーシしてきたから、高校をあきらめないのだ。
□
《祈り》
生まれた時は命を守ることだけで精一杯だった。
生きていてくれるだけでよかった。
この子の願いは「生きたい」。
私の願いは「生きていてほしい」。
私の願いは、「この子の願い」と同じだと思った。
私の願いは、「私たちの願い」だと思っていた。
でも、私の願いは私のもので、この子の願いは「この子のもの」。
この子が、この子だけの仲間とのつながりを生きるようになって。
この子の生き方を感じるようになれて、私の願いは「この子がこの子の願いをかなえる」ことだったと思いなおす。
この子の思いと、私の思いは、「同じ」ではない。この子の願いが叶わない時の悲しみも落胆も、この子と同じとき、この子と同じように、感じることはできないから。
この子の願いは、「願いが叶うこと」。
そして私のもう一つの願いに気づく。
この子の願いが叶わない時にも、この子に足りないものは一つもなく、次の願い、次の希望がかならず見えると信じている私の思いを、この子に贈ること。
だから願いが叶わない時にも、私はこの子たちを信じ続ける。
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