「定員内不合格」について
文部科学大臣の発言
「次年度以降・・・定員内不合格に関する実態把握には、引き続き取り組むことを予定している」
「本年度、定員内不合格の数を把握していないと回答した都道府県の教育委員会については、23年度の入試選抜以降、状況を把握するよう依頼をしている」
《障害のある人が不合格とされてしまうケースが存在していることについて》
「文科省の調査で把握している定員内不合格については、その理由まで調査しているものではないが、文科省としては、仮に障害のみを理由として入学を認めなかったということがあった場合には、これはあってはならないと考えている」
★⇒永岡文部科学大臣会見の動画リンク。
高校入試の定員内不合格の質疑は5:46から。
https://www.youtube.com/watch?v=4UX_X_x9cGY
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以下は、2023年2月14日「教育新聞」の記事より。
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障害理由の定員内不合格
「あってはならない」
高校入試で文科相
障害のある人などが公立高校への入学を希望して試験を受け、その高校が定員割れを起こしているにもかかわらず「不合格」とされてしまう「定員内不合格」について、永岡桂子文科相は2月14日、閣議後会見で、「文科省としては、仮に障害のみを理由として入学を認めなかったということがあった場合には、これはあってはならないと考えている」と強調した。合わせて、公立高校の設置者である各都道府県教委に対し、定員内不合格に関する実態調査に引き続き取り組んでいく意向を示した。
文科省は今年度、「高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査」の中で、公立高校入試での定員内不合格の数を初めて調査。昨年12月に公表された調査結果によれば、2022年度に全国の公立高校で、延べ1631人が定員内不合格となっていたことが分かった。定員内不合格の延べ人数は地域差が大きく、また青森県、山形県、福島県、群馬県、佐賀県、沖縄県は、全ての日程・最終日程での定員内不合格の延べ人数・学校数のうち、複数の項目で「把握していない」と回答していた。
これについて永岡文科相は「次年度以降の具体的な調査項目については、今後検討を進めたいと思っているが、定員内不合格に関する実態把握には、引き続き取り組むことを予定している」と、実態把握を続ける意向を示した。また、「本年度、定員内不合格の数を把握していないと回答した都道府県の教育委員会については、23年度の入試選抜以降、状況を把握するよう依頼をしている」と述べた。
また、障害のある人が不合格とされてしまうケースが存在していることについて「文科省の調査で把握している定員内不合格については、その理由まで調査しているものではないが、文科省としては、仮に障害のみを理由として入学を認めなかったということがあった場合には、これはあってはならないと考えている」と明言した。
高校入試の定員内不合格は、れいわ新選組の舩後靖彦参議院議員が国会で取り上げ、障害のある当事者や家族などを中心に問題視されている。背景として、義務教育ではなく、原則として入試を行っている高校教育で、「高校教育を受けるに足る能力・適性を有することを前提とする」という、高校進学率が低かった時代の「適格者主義」の考え方がいまだに強いことが指摘されている。
一方、高校の進学率が99.0%(学校基本調査、21年度)に上っている現状では、多様な背景を持つ子供たちが高校教育を受けられないことにより、社会的な居場所を失うことにつながりかねないとする声も上がっている。
秦 さわみ(教育新聞記者)
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2019年12月19日の「沖縄タイムス」の記事と、12月30日の「毎日新聞」の記事。
「あってはならない」、障害を理由にした「定員内不合格」。
「定員内不合格」について文部科学大臣の発言【3年前】
2020年2月19日【琉球新報】