ワニなつノート

ワニペディア(1) 【いるだけ】


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【いるだけ】



「ふつう学級」を思いとどまらせるために流行している「単語」。


障害児、とくに知的障害児が、ふつう学級にいても「無駄」だという意味を込めて、「いるだけ」と使う。


「いるだけ」だから、何一つ学べることはない。

「いるだけ」だから、何一つ成長することもない。

「いるだけ」だから、誰とも何の交流もなく関係も作れない。

「いるだけ」だから、何も意味がない。

「いるだけ」だから、何一ついいことはない。


・・・と言いたいらしいが、それって「いない」ことの説明じゃないのかな。

        
       ◇


「いるだけ」

言葉の使い方に、愛がない。


        ◇ 


たとえば、お腹の中にいる赤ちゃんのことを、「いるだけ」という人がいるだろうか。

もしいたら、「愛がない人だな」とおもう。


ふつう学級に「いるだけ」

お腹の中に「いるだけ」

たぶん、どちらも男言葉。


自分の身体の内にある命にむかって、女性は「いるだけ」とは言わない。

詩人の森崎和江さんは妊娠5カ月のころ、「わたし」という一人称を使えなくなったという。

「わたし」というのは、「わたし」ひとりを指す言葉。

でも、「わたしの内」にもうひとりの命がある。

「わたし」は「わたし」だけでなく、「わたしたち」として生きていると。



それに対して、男は体感がない。

だから「いるだけ」という言葉は、「本当におれの子か?」というアホな男の言葉遣いに似ている。


       ◇


※《おまけ》




あなたは誰のものでもない

あなたは ただ あなたのもの

春の光があなたにふれて

あなたをのばす



(「いのち、響きあう」 森崎和江」)
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