ワニペディア(10)【定員内不合格】
50年後か、100年後か、教育の歴史の教科書にはこう書かれているだろう。
公立高校の「定員内不合格」とは、
《1%の子どもを「15歳の社会」から抹殺する計画》。
◇
『…安楽死指令も、子どもに加えられた破壊工作の展開の一例にすぎません。
ヒトラーに協力した人たちは、何の迷いもなく総統に従いました。
それは、この人たちにとっても、同じ暴力と従順のシステムがはるか昔から唯一の正しい、馴染深いもので、それを疑うなどということは一度もなかったからです。
残虐と闘うためには、まずそれを残虐であると認知する能力が必要です。
けれども、ヒトラーやその支持者たちは、子ども時代を通して、厳格さ、暴力、容赦ない権力の行使と冷やかさしか知りませんでした。それに代わるものがあろうなどとは、夢にも思えなかったのです。』
(『真実をとく鍵』アリス・ミラー 新曜社)
◇
どのような形であれ、同じ社会の同世代の子どもの1%は誰も助けない、という現実を見せられた子どもたちは、その排除という暴力を完全に正しいものと感じるようになります。
つまり高校に入れないのは、入れない子が悪いからだと考え、誰も助けないのは、それが正しいからだと、1%の同胞を見捨てる教育制度を理想化するのです。
そして、成長して、高校の教師になり、同じ事を繰り返します。
残虐と闘うためには、まずそれを残虐であると認知する能力が必要です。
日本の社会の大人のほとんどは、定員内不合格がどれほど残虐な制度であるかを、認知する能力が欠けています。
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