十五年の四季
いまこの願いをなかったことのように話さないでください。
わたしが感じるように感じてはいけないと聞こえるから。
わたしのために、あきらめろとは言わないでください。
わたしに夢みる価値はないと聞こえるから。
RONIN
みんなと一緒にいたい。
この気持ちをなかったことにしないでほしい。
「入れるかどうか」の前に、いまの気持ちをなしにできない。
他の生き方もあると、説得しないでほしい。
わたしを心配して、いっぱい考えて、
正しい答えを探してくれたとしても。
不可能でも、無理でも、間違いでも、
この気持ちを手放せない。
RONIN
いままでみんなと見た夢を、見たいだけ見せてほしい。
みんなと高校に行きたい。
ずっと疑わずに一緒にいたから。
わたしだけ行けないなんて知らなかった。
だから、待ってほしい。
夢がかなうまで、どれくらいかかるか分からないけど――。
気持ちがあきらめるまで、どれだけかかるか分からないけど――。
RONIN
みんなと過ごした四季のぬくもりを、
一晩であきらめることはできない。
ずっと一緒だったから。
いつの春も、いつの夏も、秋も冬も、
みんなを感じながら生きてきた。
わたしが手放せない願いは、みんなが手放さなかった願い。
みんなはその手につかみ、わたしは届かなかったけれど。
これはわたしの十五年の四季をかけた願い。
RONIN
私には不可能な希み。
それが現実でも、わたしの現実もここにある。
みんなと一緒に笑いながら、遊びながら、学びながら、
十五年の四季をかけてここにいる。
みんなの姿が見える場所。みんなの声が聞こえる場所。
それがわたしの現実。
違う場所にいても、大切にしてきた思いはおなじ。
違う場所にいても、同じ四季を感じていたい。
RONIN
わたしはひとりじゃない。
十五年の四季をかけたわたしの思い。
みんなと一緒にいたいこの思いまで、
あきらめなくいいとわかるまで。
できれば、わたしのとなりにいてほしい。
時々でいいから手をのばせば届くところにいてほしい。
RONIN
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