ワニなつノート

自己肯定感が低くなりますよ




「普通学級で無理をすると、
自己肯定感が低くなりますよと言われたのですが…」

就学相談会で、ここ数年、よく聞くようになった言葉。

「低学年のうちはいいですけど、
だんだん、自分だけできないことがわかるようになると、
自尊感情がもてなくなりますよ」

教育委員会の人たちも、
昔のように、普通学級を希望する親を、強く否定したりはしません。

「普通学級に入ることはできますよ。でもね、お母さん…」
そう言って、親の不安を煽る手法が主流になってきています。

「何考えてるんですか、IQがこれしかないのに
普通なんて無理にきまってるじゃないですか」
冷たくそう言われると、言い返すこともできます。

でも、ソフトに、
「まわりの子がみんなできるのに、この子だけできないと、
自信をなくしますよ」と、
子どもの気持ちを心配をしてる風に言われると、
そこはやはり気持ちが揺れます。

『もう一度親子になりたい』という本の中に、
次のような言葉があります。


【また里親が世間体などの自分の都合で、
里子であることをひた隠しにすることもあります。
そのような場合、子どもは敏感に自分が愛されていないと感じ、
孤独感を覚えていくことになります。
申しそえておきますと、自己肯定感のもてない子どもの背景には、
実子里子にかかわらず、このような孤独感があるものと考えられます。】

「里親・里子」という経験がなくても、
その説明は自然なものに思えます。

だから、教育委員会や学校の先生に
「自尊感情が持てませんよ」
「自己肯定感が低い子どもになります」
といわれたときに、こんなふうに言えればいいのかなと思います。

「親が子どもの障害や遅れを恥ずかしいと感じていたり、
人の手を借りることを遠慮していたり、
人にめいわくをかけることや、
世間体を気にして子どもの障害をオープンにできないことがあります。
そのような場合、
子どもは敏感に自分が親に恥ずかしい思いをさせているんじゃないか、
自分はいない方がいいんじゃなか、
と孤独感を感じることになります。

自己肯定感のもてない子どもというのは、
自分にできないことがあるということよりも、
そのことに対する身近な人の評価が与える影響が大きいのです。

自己肯定感のもてない子どもの背景には、
そのような孤独感、孤立感の問題があります。」

そうであるなら、先生、この子は大丈夫です。
私はこの子を恥ずかしいとは微塵も思っていません。
私はこの子に会えて、本当に幸せです。
この子に障害があっても、遅れがあっても、
私の幸せに変わりはありません。
この子に遅れがあることは、
人として恥ずかしいことだとは思いません。

もちろん、この子がやらかしてくれる失敗やいたずらを
恥ずかしいと思うことはあります。
でも、それは「障害児だから」恥ずかしいのではありません。
かわいいわが子のやらかしてくれることだから、恥ずかしいのです。

だから、保育園のときから、この子をみんなの中で育ててきたのです。
この子の障害を含めて、この子を隠すつもりはありません。
この子のありのままの姿を、私はいつも抱きしめていたいくらいです。
だから、この子のありのままの姿で、
堂々とみんなの中にいてほしいと思います。

だから、先生、大丈夫です。
「自己肯定感がもてない」というのは、この子には心配いりません。

私はこの子に出会えて、本当によかったと心から思っているのですから。

もちろん、この子もそのことをよく知っています。

だから、大丈夫です。
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