こだわりの溶ける時間 2018 (その3)
45分座ることができなかった子に会ったことがない。
そもそも「多動」といわれる状態も高学年にもなれば変わる。多動は、「障害」というより、ただ「子どもの特徴」とみる方が自然だ。たとえ「落ち着きがなさすぎ」と感じても、だ。
「45分の一斉授業」のルールを本人が、自分の身体感覚で受容することは、学校生活の通過点の一つに過ぎない。
ただ、どうやってそのルールを教えるかという教育技術を、学校がまだ持っていない。
私の30年余りの出会いの中で、教室から逃げ出す「小学生」は、障害のある子が多いが、中学、高校になると、圧倒的に障害のない生徒が増える(‘ω’)
A・《教室から逃げるという成功体験》
みんなと一緒にいる――その距離とつながり方は、あなたが決めていい。
どうしたら安全に感じて、居心地よく、みんなと一緒にいられるか、それはあなたの身体と心しか分からないことだから。
私はまだ、あなたのことをよくは知らないから。
あなたが怖がることを怖がってはいけない、とは言わない。
あなたが感じるように感じてはいけない、とは言わない。
どうしたら安全に感じて、居心地よく、みんなと一緒にいられるか、あなたのやり方に、私は合わせられるように調整するから。
あなたが、怖いと感じたときには、あなたはあなたの身体に逃げろと命じていいい。
あなたの身体が、必死で逃げるのを見たら、私もようやく気づける。
あなたが、どんなに一生懸命生きているか。
みんなと一緒にいるために、あなたがどんなにがんばっていたかが、分かるから。
あなたが、言葉で説明できないときは、あなたが自分の身体に命じて、自分を守れるようにならないとね。あなたの怖れは、初めはあなたにしか分からないから。
でも、何度か繰り返せば、みんなにも私にも、あなたの苦手なことが分かってくる。
そうしたら、あなたも少し居心地がよくなるでしょう。
そうすれば、あなたも、大騒ぎしてしまったことを、自分が悪かったからだと、自分だけを責める必要もなくなるし、自分はだめな子だと間違えなくてすむでしょう。
あなたは、きっとうまくやったという「成功体験」を積み上げて、成長していく。
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