いま『べてるな人々』を読んでいます。
向谷地生良さんの新しい本で、北海道のべてるの人たちのことが、
「当事者研究」という活動を中心に紹介されています。
「当事者研究」とは、『自分が抱える統合失調症等の症状によって
起きてくる生活上の生きづらさを、
自らが「研究者」になったつもりで、メカニズムを解明し、
その対処法を、仲間や関係者と一緒になって
明らかにしていく実践活動である。』
市販されているべてるの本は、全部読んでいます。
だから、当事者研究についても知っているつもりで読んでいたのですが、
今回、初めて気がついたことがあります。
それは、私たちは「当事者研究」をしてきたのかもしれない、
ということでした。
「当事者」というと、ふつうは「病気」や「障害」を抱えて
苦労している人のことを指します。
だから、今まで気づかなかったのだと思いますが、
今回、きづいた当事者とは、「障害児」ではありません。
「障害児の親としての当事者」です。
もっと詳しく言えば、
「障害のある子どもを普通学級で学ばせる親」としての当事者です。
そう、べてるの人たちは、
この社会でふつうに生きるだけで、苦労しています。
そして、障害をもつ子どもをふつうに地域の学校に通わせるだけで、
親は苦労しています。
その「苦労」のほとんどは、「子どもの障害」が原因ではありません。
「子どもを受けとめる了見の狭すぎる学校」が原因なのです。
そうであるなら、やはり「親の当事者研究」というものが必要だと思います。
いえ、私たちはすでに「親の当事者研究」を、
それと気づかずやってきたのでした。
(つづく)
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