子どもが一人で、苦しみ、悲しみ、泣いているときには、「希望」よりも前に、「大丈夫」を伝えてあげたいと、ふと思う。
「希望があるよ。希望をあきらめちゃいけない。希望は必ずあるから」
そんなふうに、「希望」の言葉を並べるよりも、「だいじょうぶ、だいじょうぶだから」と、私は伝えてきたような気がする。
何の手立ても、何の根拠もなくても、「だいじょうぶ、だいじょうぶだから」と、ただそばにいるから大丈夫だと伝えたかった。
自分がどんなに無力だとわかっていても、「だいじょうぶ、だいじょうぶだから」と呪文のように信じようとしてきた。
希望は、いつも、私が子どもに見せてあげられるものではなかった。
子どもが私の頼りない「大丈夫」を信用してくれて、顔をあげてくれると、子どもはその先に、自分で希望を見つけるのだった。私には見えなかった希望を、子どもが自分の手で、自分の目でみつけて、歩き出す。
そこで、私はふと気づいて、子どもの視線の先を振り返る。
そこに、本当に希望があるのがみえる。
私はいつもそんなふうに、子どもに希望を見せてもらってきた。
だから、私たちは、子どもにありったけの「大丈夫」をあげるだけでいいのだと思う。
「大丈夫」はどうやって見えるのだろう?
ありったけの「大丈夫」は、どうやって伝えられるだろう?
子どもの目に、耳に、心に、「大丈夫」は、どんなふうに見えるのだろう?
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