(H)の章で、私の頭にあった本のことを、
省いてしまったことが、気になっています。
資料として、一部を紹介します。
『9人の児童性虐待者 NOT MONSTERS』
この本は、子どもの頃に性虐待を受けた女性が
大学の教員になり、
受刑中の児童性虐待犯と一対一で
インタビューを行った記録です。
著者は言います。
「なによりも重要なのは、
加害者たちの話をしっかり聞けば、
子どもたちを被害から守るためには
どんなステップを踏んでいかなければならないのかが
あきらかになることだ」
「加害者は虐待をおこないながら、
おまえの気持ちなどどうでもいい、
性的な行為は愛の証だなどというメッセージを送り、
被害者がそうしたタームの中で
自己を認識するようにしむける。
子どもは、虐待者や環境、
自分自身の体をコントロールできず、
そのせいで受動的になってしまう。
子どもに虐待をとめる力がほとんどないのは、
自分よりずっと力の強い人間の
意のままにされる状況に追い込まれているからだ。
性的虐待を受ける子どもは
「もの」として利用されている。
だからこそ、のちに成長したとき、
セルフ・エスティーム(自尊感情)の
低い大人になったりするのだが、
その原因となっているのは、
この影響力の大きな経験なのだ。」
『9人の児童性虐待者 NOT MONSTERS』
パメラ・D・シュルツ 牧野出版 2800円
この個所を、何度読んでも、
性虐待の被害にあった子どもたちのことと同時に、
不本意に分けられる子どもたちの姿が浮かびます。
子どもに、「分けられること」をとめる力が
ほとんどないのは、
自分よりずっと力の強い人間の
意のままにされる状況に追い込まれているからです。
そうして、自分の気持ちなどまったく無視され、
「分けられる経験」こそが、
子どもの「自尊感情」を奪うことなのです。
「障害のある子どもが、ふつうの子どもたちと一緒にいると、
自尊感情が低くなる」などと、
全く正反対の大ウソをつきながら、
子どもたちを分けている大人がたくさんいるのです。
子どもの自尊感情を奪うのは、
「おまえの気持ちなどどうでもいい」
「おまえの幸せはわたしたちが教育してやる」と、
子どもの気持ちを無視することなのに。
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