分科会で援助ホームについて話してほしいと言われ、何気なく参加した集まりが、予想外に大きな集まりで驚いた。
長い間、「行政は敵」だと思って生きてきた。少なくとも、子どもに必要なことを求めるときには、「闘う相手」だと思ってきた。
障害のある子がふつう学級に入れなかった時代を生きてきたから。
家出、援助交際、自傷行為を「非行」とみなし援助対象とはみなかった時代を生きてきたから。
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ところが、千葉市が作ろうとしている「こども基本条例」には、そうした子どもたちもすべて含みこまれるものを目指すという。
実際、「インクルーシブ教育」という分科会があり、「ハイティーンサポート」「ヤングケアラー」という分科会があった。
それらの分科会を紹介する際、千葉市長が国連勧告に触れ、本人の希望に沿って通常学級で看護師や介助員を保障すると明言していた。
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それを聞きながら、「行政は敵」という気持ちが揺れ動いた。
確かに、千葉市は小学校にエレベーターがないとき、入学までに設置してくれる。6年後の中学校にもエレベーターを設置してくれる。また「支援級」から「ふつう学級」への転籍も、希望すれば「翌日」からふつう学級に通える。でも、それはあくまで、「闘って」きたから、だと思ってきた。
でも、この日の会議に参加して、もしかしたら「時代」は、本気で「すべての子ども」の人権を保障しようとしているのかもしれない。疑い深い私が、少しそうかも、と思い始めた。
(つづく)

