では、受けとめられ体験が苦手な障害をもつ子どもが、
受けとめられ体験をするためには何が必要なのでしょう。
受けとめ合い体験をするためには、どうすればいいのでしょう。
障害のあるふつうの子どもも、障害のないふつうの子どもも、
まずは「受けとめられている」ことを感じるところから始まります。
そのために必要なことは、
子どもがそれを感じるまで受けとめ続けることです。
この子の「いまの姿」を受けとめること。
受けとめ続けること。
子どもが、「受けとめられている」ということを十分に感じるまで、
「子どものいま」を受けとめ続ける以外に道はありません。
子どもにとって大事なことは、
どんなときも、自分で自分を受けとめることです。
子どもでも大人でも、うまくやれる自分を受けとめるより、
うまくやれない自分を受けとめる方が、ずっと難しいことです。
だから、どんなときにも、子どもが自己受けとめできる力をつけるために、
親ができることは、ただ子どもの「いま」を受けとめることです。
「いまの自分」を受けとめられない限り、
「つぎ」の自分、明日の自分に出会うことはもっと難しいと思うからです。
「受けとめ続ける?」「いつまで?」と不安になるときがあります。
「ひとりじゃ無理」と感じることがあります。
だからこそ、保育園や学校でみんなと生活することが大切なのです。
誰だって、一人では難しいことなのです。
障害がある小さな子どもには、とても難しいことですし、
その親にとってもまた難しい課題なのです。
だから、親ががんばって、
一人で上手くやらなければいけないわけではないのです。
戸惑いながら、泣きながら、間違えながらでも、
ただ子どもを信じて、そばにい続けることで、
「こだわりの溶ける時間」、
「受けとめあえる関係」を感じるときが必ず訪れます。
少なくとも、私がこの二十数年の間、
出会ってきた親子たちは、みんなそうでした。
私たちは、あなたを「受けとめている」ということ。
あなたは、私たちに「受けとめられている」ということ。
あなたは、自分で自分を受けとめて、
自分の人生を生きていくのだということ。
その意味をすぐに理解したり、感じ取ることが、
はじめは苦手な子どもたちかもしれないけれど、
それを感じない子どもは一人もいません。
他の子どもより長い時間がかかっても、
どんなに長い月日がかかっても、
親が子どもを信じて受けとめ続けた時間は、
限りなく豊かな時間として、子どもに受けとめられる日が必ず訪れます。
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