ワニなつノート

『障害をもつふつうの子ども』の成長(試案その5)



では、受けとめられ体験が苦手な障害をもつ子どもが、
受けとめられ体験をするためには何が必要なのでしょう。
受けとめ合い体験をするためには、どうすればいいのでしょう。

障害のあるふつうの子どもも、障害のないふつうの子どもも、
まずは「受けとめられている」ことを感じるところから始まります。
そのために必要なことは、
子どもがそれを感じるまで受けとめ続けることです。

この子の「いまの姿」を受けとめること。
受けとめ続けること。
子どもが、「受けとめられている」ということを十分に感じるまで、
「子どものいま」を受けとめ続ける以外に道はありません。

子どもにとって大事なことは、
どんなときも、自分で自分を受けとめることです。

子どもでも大人でも、うまくやれる自分を受けとめるより、
うまくやれない自分を受けとめる方が、ずっと難しいことです。

だから、どんなときにも、子どもが自己受けとめできる力をつけるために、
親ができることは、ただ子どもの「いま」を受けとめることです。
「いまの自分」を受けとめられない限り、
「つぎ」の自分、明日の自分に出会うことはもっと難しいと思うからです。

「受けとめ続ける?」「いつまで?」と不安になるときがあります。
「ひとりじゃ無理」と感じることがあります。
だからこそ、保育園や学校でみんなと生活することが大切なのです。

誰だって、一人では難しいことなのです。
障害がある小さな子どもには、とても難しいことですし、
その親にとってもまた難しい課題なのです。
だから、親ががんばって、
一人で上手くやらなければいけないわけではないのです。
戸惑いながら、泣きながら、間違えながらでも、

ただ子どもを信じて、そばにい続けることで、
「こだわりの溶ける時間」、
「受けとめあえる関係」を感じるときが必ず訪れます。
少なくとも、私がこの二十数年の間、
出会ってきた親子たちは、みんなそうでした。

私たちは、あなたを「受けとめている」ということ。
あなたは、私たちに「受けとめられている」ということ。
あなたは、自分で自分を受けとめて、
自分の人生を生きていくのだということ。

その意味をすぐに理解したり、感じ取ることが、
はじめは苦手な子どもたちかもしれないけれど、
それを感じない子どもは一人もいません。

他の子どもより長い時間がかかっても、
どんなに長い月日がかかっても、
親が子どもを信じて受けとめ続けた時間は、
限りなく豊かな時間として、子どもに受けとめられる日が必ず訪れます。
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