HalとNaoちゃんの待ち時間(+やっち)(12)
ちょっと前に、岩橋さんの方のブログで、
私が「就学運動」の人として分類?されているのを目にして、
ちょっと新鮮な?感じがしました。
いろんな「運動」や「スタンス」があるし、
自分は「就学運動」の区分に入ってきたんだろうな、と思います。
確かに私のなかの始まりは『養護学校義務化反対』でした。
でもあれから30年過ぎて、いまの千葉の仲間のつながりのなかで、
「就学運動」をやっているという自覚が薄くなりました。
それは何だろうと、考えています。
昨日、また岩橋さんのコメントを見て、
とりあえず、今の感じを書いておこうと思います。
NaoちゃんとHal(+やっち)の話は、
私にとっては「就学」や「学校問題」の話というよりは、
ただ、わが子の子どもとしての思い、人としての思いを
大事にしようとしている親たちの話としてあります。
ちょっと「カワッテル」と見られてしまうことで
子どもが苦労させられ、不利益を受けることに、
戸惑いながら、揺れながら、迷いながらも、
子どものミカタでいるために、必死で闘っている姿、
子どもの気持ち、子どもの感情を一番に考え、
大切にしたいと願う人たちが、ここにはたくさんいます。
子どもの問題と、親の不安を、取り違えたり、
引き換えにしたりしないように気をつけながら、
ゆっくり親子で歩いています。
そこには、一人の子どもへの敬意、
自分とは違う個性と意思と感情をもった
一人の人間の人生があることを、ていねいに、受けとめ合い、
育ち合おうとしている姿そのものだと、私は感じてきました。
たとえば、ナオちゃんや、やっちゃんのお母さんは、
この会にきて小学校に入る時から、
高校までが視野に入っていました。
いつも会に来ているなっちはまだ小3だけど、
お母さんはきっと高校までがあたりまえだと思っています。
いま、なっちの顔がふっと浮かびましたが、
なっちが「高校いく」と言わないはずがありません。
みんながやっていることは、何だってやらなきゃ気がすまないのです。
近所の犬小屋にだって、
ワンちゃんを追い出して住んでみたくなるのですから(〃▽〃)
もちろん、子どもが小学校に入ったころから、
高校のことを意識するのはあまり「ふつう」とは言えません。
でも、「ふつうの小学校に入れないかもしれない」、
という不安の中から、就学時健診を拒否し、
やっとの思いで手に入れた子どものふつうの学校生活。
その大切さを感じれば感じるだけ、
先のことは切実な心配として絶えず意識の中にあります。
中学まではなんとかなるのは分かった。では、その先は?
この子は障害があっても、ただの大切な私たちの子ども。
地域の仲間、学校の友だちとおなじような子ども時代を生きてほしい、
感じて育ってほしいと願えば、
行く手には次々と立ちはだかる壁が見えます。
小学校、中学校までの壁は、なんとかなりそうだと分かってきた。
でも高校は?
もちろん、その先の子どもの人生のことを考えれば、
不安も壁も次々にある。就職?恋愛?結婚?
親が死んだら…この子は…?
数え始めたら、壁どころか崖や山が押し寄せてくるでしょう。
でも、そのなかでも、「高校」までは、
「ふつうの子ども時代のうち」にあるという「常識」が、
ここでは作られつつあるのです。
一昔前とは「親」の意識も変わりつつあります。
そしてその先には、子どもの自立した生活のカタチが、
視野の片隅に入っています。
(もちろん、それはHideのおかげですが。)
そうした「子どもを育てること」と、
ひとつながりの先に「自立生活」があると私は感じてきました。
「就学運動」とか「自立生活運動」とか「高齢者介護」とか、
不要な境界線をつけてしまうことよりは、
つなげる道を考えられると思うのです。
これらの問題に「境界線」があることが普通ではなく、
人間のことには境界線がないことが前提だと、
絶えず確認しながらやらないと、私たちの願いはどんどん分断され、
分けられ続けていくことになってしまいます。
そんなことを漠然と考えています。
今日は、こちらではまず一回目の公立高校入試でした。
会からは3人が受験しました。
どの高校も倍率が高く、厳しい状況ですが、
なんとかみんな高校生になれることを願っています。
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やすハハ
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