ワニなつノート

「就学猶予」と「高校受験」

「就学猶予」と「高校受験」


明日は、就学相談会です(^.^)/~~~

2週間前の就学相談会をきっかけに考えていた
「就学猶予」について気づいたことを、
ひとまずまとめておきます。

明日の相談会で、また何か考えだすと
忘れてしまいそうなので(>_<)

     


はじめのうちは、「ゆうよ」と「通級」についての
私の気がかりを考えていました。

でも、ある時、ふっと「高校受験」について考えたときに、
ひとつ分かったことがありました。

障害があってもみんなと一緒に
地域の普通学級へ、という道を行けば、
9年間後には「高校受験」が待っています。

子どもは、「高校に行きたい」といいます。
必ず言います。

そして、そこには「受験」という、
小学校以上に高い壁があります。
そこで、高校生になれることがわかっているのに、
あと一年「猶予」したいという人はいません。

「あと一年あれば、この子はもう少し点数が取れるようになって、
今よりは少しは他の子に追いつけるかもしれない、
そうすればいま無理して高校生になるより、
この子も安心して高校生活を送れるかもしれない…」


そんなふうにいう人に一度も会ったことがありません。

6歳のときには、「一年」という時間の猶予が、
「子どものため」と考える人がいるのに、
15歳になると、「一年」という時間の猶予を
考える人はいません。

それは何故でしょう?
話としては、そう考える人がいても、不思議ではありませんし、
「迷い」や「不安」としてもありそうな気がしますが…。

子どもが15歳になり、体も成長し体力もついて、
小学校入学のときのような「小さな子ども」への
親の不安がなくなったからでしょうか?

それとも、15歳にもなれば、
本人の意思もはっきりするし、
学校で、先生や友だちから情報も耳にします。
だから、「一年猶予」を説得することが
できないからでしょうか?

15歳になったのだから、
本人の進路は本人の意思を尊重する、
ということでしょうか?

どうもそうではなさそうです。

障害をもつ子どもの親にとっては、
子どもが学校へ行くときの不安や迷いを、
6歳のときと変わらずに持ち続けている人は少なくありません。
いえ、むしろ増えています。

そこで、私とは違う考えや感じ方をする人は、
「普通高校の受験」ではなく、
「一年の猶予」(浪人の覚悟)ではなく、
「高等部」を選ぶのでした。

「一年の就学猶予」とは、
時間だけを言えば、「一年の浪人」と同じ時間です。
でも、6歳の子どもには「一年の猶予」を考える人が、
受験のときには、むしろその逆に、
「絶対に浪人はさせられないから」と、
普通高校の受験をあきらめて、「高等部」を選ぶのでした。

「浪人させるのは、この子には無理。
かわいそうで、浪人はさせられない。
みんなが高校生になるのだから、
この子も一緒に高校生にしてあげたい」

そういう思いで、特支学校の高等部を選びます。

それは、「普通高校の3年間」を
「高等部の3年間」と引き換えにして、
「猶予」の変形の取り引きをしているようにしか、
私には思えません。

就学猶予のときには、親はこんなふうに言います。
「6歳で小学校に入学するには、この子はまだ小さすぎて難しい、
心臓の手術を繰り返し、入院生活が長かったから、
歩き出すのも、言葉が出るのも遅かった。

でも、病院通いも落ち着いて、ようやくこの子も
ゆっくりだけど成長しているのを感じる。

だから、あと一年、遅らせれば、この子も安心して
一年生になれると思う。そうしてあげたい。」


「一年浪人させることはできない」という言葉と、
「一年猶予したい」という言葉は、正反対のように聞こえます。

でも、私にとって、この二つの親の思いは、
「親の思い」としては分かりますが、
子どもの側に立ったときには、
「うなずけない」ものとして共通しています。

「6歳の子どもが、たとえどんなに身体が小さくても、
重い病気を抱えていても、猶予をするよりは、
子どもを信頼して、押し出しても大丈夫だよ」と伝えたい思い。

「仮に受験に失敗して、1年浪人することになっても、
それは決して無駄にはならないし、
浪人してでも高校に入りたいという
子どもの気持ちに沿って応援することは、
子どもにとって何よりの励みになるんじゃないかな。
それは子どもにとって、
それまでの人生で一番の苦労かもしれないけれど、
そこでは親から応援してもらうことが、
人生で一番ありがたい一年にもなる」と伝えたい思い。

その二つの思いは、私の中では
まったく同じ子どもへの思いです。

でも、6歳のときには、
子どもに一年という時間を待たせ、
15歳のときには、
子どもに一年という時間を待たせない。
これが、私が「猶予」にひっかかるものの
中身のような気がします。


子どもの「持ち時間」への思い。
子どもの「いま・ここ」への思い。
そのあたりの感じ方、考え方の違いなのかなと、
そんなところが、この二週間で分かってきたことです。

明日の、就学相談会が楽しみです(^_-)-☆
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