この裁判については、まったく知りませんでしたが、
このニュースだけでも嬉しいので、
とりあえず、お知らせします。
車いす少女の中学入学拒否
「妥当性欠き違法」 奈良地裁
希望した地元の公立中学への進学を拒否された
車いすの谷口明花(めいか)さん(12)
=奈良県下市(しもいち)町=と両親が、
町と町教育委員会に入学を認めるよう求めた訴訟で、
奈良地裁は26日、
町教委に仮の入学許可を出すよう義務づける決定をした。
少女側の代理人の児玉修一弁護士が会見で明らかにした。
明花さんは7月からの通学を希望しているという。
決定によると、一谷好文裁判長は、
健常者と障害者との共同学習の推進などをうたった
衆参両院の付帯決議などを引用したうえで、
町教委の入学拒否について
「慎重に判断したとは認めがたく、著しく妥当性を欠き、
裁量権を逸脱または乱用したものとして違法である」
などと批判。
そのうえで、町教委に対し、
少女側が望んでいる地元の下市中学校への
仮の入学許可を出すよう命じた。
明花さんと両親は4月下旬、町教委などに
「入学を認めないのは裁量権を逸脱して違法」として
提訴するとともに、判決が出るまで仮の入学を
町教委が認めるよう求めていた。
明花さんの父親は
「裁判所に迅速に審議していただき、心より感謝している」
と話した。
父親によると、決定を携帯電話で伝えられた明花さんは
「ありがとう」と喜んだという。
下市町教委は「決定を真摯(しんし)に受けとめるが、
今後の対応については弁護士と慎重に協議したい」
との談話を出した。
明花さんは地元の小学校に通い、
下市中学校への進学を強く望んだが、
町教委の就学指導委員会は
「中学には階段が多く、命の保証ができない」として、
県立養護学校への進学を答申。
明花さんは養護学校に登校せず、
自宅で県教委が派遣する同校講師の指導で学んでいた。
09.6.26朝日新聞
車いす生徒拒否、中学入学認めるよう
「仮の義務付け」決定
バリアフリーが整っていないことを理由に、
希望する奈良県下市町立下市中学への入学を
拒否されたのは違法として、同町の地方公務員、
谷口正昭さん(51)の長女で、
脳性まひで車いす生活を送る明花さん(12)が、
町に入学許可などを求めた訴訟で、
奈良地裁の一谷好文裁判長は26日、
入学を認めるよう「仮の義務付け」の決定をした。
仮の義務付けは、2005年施行の
改正行政事件訴訟法に基づく手続き。
判決前でも、回復不可能な損害を避けるために
緊急の必要性があれば、処分を行政に命じることができる。
訴訟は継続する。
決定で一谷裁判長は
「ほかの生徒と普通学級で学校生活を送ることで障害を克服し、
心身共に成長することができる。
そのための時間が刻々と失われており、緊急性がある」
と理由を述べた。
設備が不十分で受け入れられないとする町側の主張には
「抽象的な危険に過ぎず、近年の、障害のある生徒の
自立に向けた取り組みを支援するという理念に反する」とした。
明花さんは、出生時の脳性まひで、
下半身や右腕などが不自由。
03年に町立小学校に入学、町が派遣した介助員2人の
付き添いを受けながら、特別担任の元で学校生活を送った。
今春、そのまま地元の下市中への入学を希望したが、
町は「階段が多く、安全を保障できない」などと拒否、
県立養護学校への入学を勧めていた。
明花さんは4月以降、自宅で
県立養護学校から派遣された講師と学習している。
堀光博・下市町教育長の話
「決定の内容について詳しく把握しておらず、コメントできない」
(2009年6月26日12時13分 読売新聞)
「ほかの生徒と普通学級で学校生活を送ることで障害を克服し、
心身共に成長することができる。
そのための時間が刻々と失われており、緊急性がある」
こんな言葉を持っている裁判官もいるんだね~~~~。
★
毎日新聞、追加です。
車椅子中学生:
町立中入学を義務付ける仮決定 奈良地裁
奈良県下市町の町立下市中への進学を希望したのに、
設備の不備などを理由に町教委が進学を認めなかったとして、
車椅子生活を送る谷口明花さん(12)=同町在住=が
入学を求めて起こした訴訟で、
奈良地裁(一谷好文裁判長)は26日、
町教委に対し、同校への入学を義務付ける仮決定を出した。
谷口さん側の弁護士によると、
中学入学を巡る仮決定は異例という。
正式な入学を求めた訴訟は続いており、
判決までの措置となる。
一谷裁判長は
「町教委の判断は著しく妥当性を欠き、
特別支援教育の理念を没却する」と述べた。
地裁の決定などによると、
谷口さんは脳性まひのため、両足と右腕が不自由。
手押しの車椅子で日常生活をしているが、
字を書いたり、会話することに支障はなく、
今年3月まで介助員2人の付き添いを受けて地元の小学校に通っていた。
同級生と一緒に町立下市中へ進学することを希望したが、
町教委は「成長期で体重が増えるため、階段が多い下市中では、
本人と介助員の命の保障ができない」などと入学を認めなかった。
谷口さんと両親は今年4月、
同中学への進学を求めて奈良地裁に提訴し、
判決が出るまでの間、仮通学ができるよう求めていた。
谷口さん宅へは県立明日香養護学校(同県明日香村)の教員が
訪問して学習指導している。
地裁は現地調査をして障害の程度や同中学の設備などを検討。
「移動介助が著しく困難とは考えられず、現状でも就学は可能。
バリアフリー化には国庫補助もあり、
可能な範囲でスロープを設置するなど工夫を試みる余地はある」
と判断した。
下市町の堀光博教育長は
「内容を精査したうえで対応を検討していきたい」と話した。
【高瀬浩平】 2009年6月26日 毎日新聞
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