「定員内不合格」の集会を終えて(その2)
20世紀、「高校入試」は教育の話だった。
いまは違う。
21世紀の高校進学、高校入試、定員内不合格。
それは15才の子どもの人権と所属の話だ。
15になる1%の子どもを犠牲にして、社会がいかに生き延びるか、という守りの話に変わっていることに、多くの人は気づかないふりをしている。
それは、わたしたち国民が(つまりは99%があたりまえに「高校生」を経験した国民が)、1%の子どもとどう向き合うか、あるいは向き合うことなく見捨てるか、という話だ。
高校入試は法律で行われているこの国の政策だ。
国策として、生まれてくる子どもの1%は、必ず高校生にはしない制度を堅持している。
なぜなら、高校生になるためには、最低限の「資格」がいると、この国の国民は考えている。
いま、この国の「大人」であるということは、
あした生まれてくる子どもの1%が、絶対に高校生にはなれない制度を必死で守ろうとしている。
この国の「大人」たちは、何を守ろうとしているのだろう。
99%の高校進学率。
100%の特別支援学校高等部の進学率。
中卒で就職の機会などほぼないことも誰もが知っている。
これで1%の子どもに中卒でどうやって、この社会で生きて行けというのだろう。
昔、南アフリカでアパルトヘイトという悪法があった。
学校もレストランも人種別。
もちろん、席が空いていても座れない。
ただそれでも差別される黒人は、白人の5倍の数だった。
差別される仲間が、国民の半分以上もいた。
だから差別されても、希望を失わず、仲間とつながり、闘い、生き続けることができた。
この国で、学校に席が空いているのに、座らせてもらえない1%足らずの子供たちは、誰とつながることができるか。
どんな「希望」をみることができるか。
21世紀のいま、この国の「教育政策」は、
アバルトヘイトより酷い、1%の子ども隔離政策だ。
◇
PS:
今日は「ホーム」の子の引っ越しの日です。
出会ったときは15才でした。
高校をなんとか卒業することができ、就職もできて、二十歳になり、今日から、一人暮らしです。
高校は人生の宝物の一つだと、心から思います。
これから、荷物を運び出します。
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