【業務連絡】
「定員内不合格の説明」についての報告②
□
今なぜ「学ぶ意欲がない」という説明か?
私は20代のころから東京都教育委員会、千葉県教育委員会との話し合いに参加してきたが、障害のある子の定員内不合格の理由として「学ぶ意欲がない」という明確な説明を初めて聞いた。
「無償での後期中等教育の保障」は、「子どもの権利」だ。
それゆえ、日本でも公立高校が無償になり、中高一貫校が作られ、いまは私立高校の無償化まで議論されている。
いつから「学ぶ意欲」が、子どもの権利の条件にされたのか?
□
・・・・つまり、こういう話だろう。
「県民の信頼を損ねる、憂慮すべきこと」だけど、定員内不合格にしたい。でも、「説明責任」も果たさないといけない。
さて、どうする?
① 「障害が理由」とは言えない。
② 「コミュニケーションができない」とも言えない。
③ 学力試験をやってないから、学力が足りないと言えない。
④ 便利だった「総合的判断」ももう使えない。
⑤ 「教師がつきあいたくないから」という「真実は口にしてはいけない」。
⑥ では奥の手を使おう!
通知には「学ぶ意欲がある子を定員内不合格にしないように」と書いてある。それなら「学ぶ意欲がない」と説明すればいい。
⑦ よし!
「作文」は介助者が書いたものだから「審議!」。
「面接」も介助者が手伝ったから「審議!」
⑨ これで「学ぶ意欲がない」証拠は揃った。
あとは、「丁寧に説明すればごまかせる!」
というレベルの話。
結局は、「合理的配慮」を使ったことを「審議!」といちゃもんをつけ、「学ぶ意欲がない」という理屈をつけただけのこと。
さてと。
□
千葉県には、3年以上浪人した障害のある子が少なくとも、5人いる。なかでも純君は、7年浪人、27回の不合格、そのうち25回が「定員内不合格」だった。そして、高校で学びたいという願いがかなう前に亡くなった。
浪人してでも「高校で学びたい」と願う障害のある子を、繰り返し「定員内不合格」にしておいて、「学ぶ意欲がない」という戯言をいつまでも言わせておくわけにはいかない。