「分からない授業はかわいそう」は、何について話していたのか
《子どもの夢とレジリエンス》
いったいどういう権利があって、一人の子どもの夢を取り上げようとするのだろう。
かなうはずのない夢を見せることはかわいそうと、夢を取り上げれば、夢見る主体はどこかに隠れてしまう。
この子の主体そのものが、取り上げられてしまう。
私たちは何よりもまず、子どもが現在をしっかりと思う存分生きることを助けなくてはならない。
家族で食事をしたり、友だちと遊んだり、夢を見たりといった日常のごく当たり前のことに満足を感じられなければ、子どもの主体は置き去りにされていく。
夢がかなうかどうかは誰にもわからない。
かなわない夢もあるだろう。
でも、この子が夢みる主体感覚こそが、夢の実現の最初の一つなのだ。
人には主体の数だけ多様な夢がある。
夢を抱くにも、夢を育てるにも、人は誰かを必要とする。
夢をめぐる人の思いと絆のなかで、子どもは自分の思いと行動、声や言葉に、何らかの効果があることを体験し、知っていく。
レジリエンスはそこから生まれる、主体性の産物なのだ。
かなうかどうか、が、夢みる意味ではない。
かなわない夢ほど大切なこともある。
わかるかどうか、が生きる意味ではない。
わからない世界ほど楽しみが尽きないこともある。
夢みる主体、感じる主体こそが、夢を支えあう出会いを生み、今を楽しむことができる。
夢を応援してもらえる喜びが主体を支え、どんな逆境にあるときにも、レジリエンスがこの子を支えていくのだ。
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