夏休みの読書感想文(その1)
昨日、「呼吸器の子」という本を手にした。
3年前に同じ著者の「運命の子」という本を読んだが、違和感に胃がもたれた。
在宅医療を必要とする子どもと親にとっては「いい先生」なんだろうと思った。
でも、私たちの思いとは別の世界にいるように思えた。住む世界が違うのだろうと思うことにした。
著者に会ったことはないが、地域と小児外科医という職業を考えると、同じ「子ども」たちに出会っている可能性は高い。
今回のタイトルは「呼吸器の子」。
同じ地域で、影響力のある小児外科医で作家が、何を書いているのかは気になった。
◇
本の終わりの方で、映画「風は生きよという」が紹介されている。
「…私が注目したのは、新居優太郎君という中学生だった。彼は低酸素脳症によって気管切開・人工呼吸器が施されている。意識レベルは低下しており、「寝たきり」である。(映画の中ではそのように見えたが、瞬きで意思の疎通をはかっていたようにも見えた)。その彼が、特別支援学校ではなくて、普通学級に通っていた。驚きだった。」
「驚きだった」と書いている。
そのことが、私には驚きだった。
私にとって、映画を観たときも、大阪の集会で彼にも会ったときも、普通学級はただの「前提」だった。
ちなみに、「中学生」と紹介されているが、彼は映画の中で高校に合格し、高校生になっていたと思うのだが…。
高校合格に触れていないのは、千葉では「現実離れ」すぎて記憶が薄れてしまったのかと思ったりする。
というわけで、あの映画をみて、「普通学級」にことさら驚く、人の、書いた本なのだと思ったら、少し不思議な気がした。
もしかしたが、「驚かない」私たちの方が、ふつうではないのか…。
こういう本は、どんな人が、どんな目的で読むものか、分からなくなった。
(つづく)
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