今日は会社の就業が終わってから「警戒区域」が解除されてから初めて旧警戒区域内に行ってみました。時間がないのでどこに行こうかと思案した挙句、いつも会社のプラントから見ていた光景を確認しに行ってみようと思い、友人・知人が多い小沢地区に行ってみることにしました。
国道6号線の以前検問があったところは誰もいなくそのままスルーして「旧警戒区域」へ、その先の光景は、がれきはまとめられているものの震災直後の光景を思い出される景色が続きました。小高区に入るとメインの通りにはまだ車がガードレールに重なっているところもそのままでありましたね。時が止まっているような気がします。
小沢地区に入ると小高い丘?のところには家の形はありますが、少し下ると何もない原野が広がっていました。。
ここの地区には同級生や友人、知人が多く生活していましたが、やはり思っていたように何もなくなっていました。遠くから見た光景はもう砂浜化していると思ったのですが、住宅の跡が残っていたのが救いと思われるくらいです。
環境省のレッドデータブックで絶滅危惧1種に指定されている「ヒヌマイトトンボ」の生息地、南相馬市原町区の鶴江川は、手前に流れる川ですが、津波にすべて流されて「ヒヌマイトトンボ」は全滅と思われます。この川は右に見える防波堤に沿って先の太田川に流れ出ていたのですが、現在はそのまま太平洋に流れています。この見えている砂浜は以前田んぼだったところですので、海岸が約200m広がったことになります。その先を土嚢で防御していたのでそれがなかったらもっと先まで海になっていたでしょうね。
小沢地区にはきれいな松並木が続いていましたが今はすべて流されてしまいました。海岸から300m程内陸に入ったところに松の木がポツンと建ってました。奇跡の一本松でしょうかね。この地区でも生きているものがあるんだと思わされます。枯れないでほしいですよね。
プラントの上から唯一確認できた建物は、排水ポンプの建屋でした。大きな揚水場ですが津波の被害で壊滅状態です。建物は頑丈で残ってますのでポンプを入れ替えれば使えそうですね。
帰りは町中を通って馬事公苑の方に抜けてきましたが町中は悲惨な状態でした。古い建物が多いのか倒壊した建物がいたるところにみられましたね。これでは「警戒区域」が解除されてもなかなか復興は難しいでしょう。
馬事公苑に向かう田園地帯も枯草に覆われて荒廃したところが続いてました。連休なので多くの人が自宅の片づけや整備に行っているのかと思いましたが、そうではなく閑散としていましたね。地元の人に聞くと、トイレは遠いし水や食料持参で行かなければならないので大変ですって言ってました。ごみも勝手に持ち出すことができずまとめて置くだけなので片づけも思うようにできないそうです。
こんなになってしまったものがこれからどれだけ回復できるか疑問にも思われるくらいにひどい光景でした。
元の生活を取り戻すにはどうすればいいんでしょうかね?