「吾妻の紅葉」から続きます。
風雪地蔵と姥神様にお参りをしていよいよ吾妻の中心部へ入りこみます。
谷地平へは何年ぶりだろうか?
夏に駕篭山稲荷から谷地平経由を考えたが時間と体力の関係で断念したのでちょっと欲を出してみた。
入口は笹薮の登山道になっている。
笹薮を過ぎるとオオシラビソの原生林に入り薄暗い荒れた登山道を延々と下ることになる。
突然間違って違う方に踏み込むのではないかと不安になりながら進む。
所々で出会うこの案内に安心させられます。
延々と下って行く途中で膝に異変が起き始めた。
前回駕篭山稲荷に行ったときも膝に痛みが出たが、下山後に解消したので気にしていなかった。
今回はサポーターを持参したので痛み出したらサポーターを付けることを考えながら進む。
沢音が聞こえるようになり、沢を2か所渡渉すると木道に出て、そこからすぐに谷地平へのとっつきの沢に出て一気に視界が開けた。
ここまで約1時間。標準的な時間で安心した。
そこから歩いて数分で谷地平小屋に出る。
内部もきれいに整備されています。
小屋の脇を大倉川の支流が流れていますが、よく見ると大きなイワナが泳いでいるのが見られます。
釣り人がいるんだろうか?
原発事故の影響はこんな山奥まで出ているようで、イワナは捕獲禁止になっていました。
古い山小屋の時代に弥兵平小屋に泊まり、次の日は東大巓から谷地平へ下り、
小屋の前で昼食のそうめんをゆでて食べ始めた時に、突然稲光と同時に落雷に襲われた時があった。
逃げるときに浮石を踏んで転び顎を強打してけがをしたことがあったがそれがこの川原だ。
あれから20年程たっているので全然面影なく変わってますね。
大雨が降る度に変わってしまうほどの水量があるようなことを聴きました。
大きなイワナが気持ちよく泳いでますよ。
冷たくきれいな水が流れています。とてもここまで放射能の影響があるなんて考えられませんね。
けっこう流れの急な沢を渡渉します。
石の上をリズムよく飛んでいかなければなりませんが、年のせいか足がふらつきますね~!!
転びもせず無事に沢を渡渉して進むと駕篭山稲荷と谷地平への分岐に出ます。
ここから左に折れれば駕篭山稲荷なんですね。
登山道の脇にはまだリンドウが咲いてました。
この登りを一段登ればそこには谷地平が広がっているはずです。
周囲は吾妻連峰の山々が連なっています。そこの中心にあるような湿原の谷地平にやっと到着です。
姥神様から約1時間15分。
谷地平は湿原も草紅葉が進み秋の装いです。
池塘に青空が反映してきれいですね。
すがすがしい風に何とも言えない気持ちよさがあります。
谷地平を進むと一切経山の北側にある五色沼(魔女の瞳)の西岸あたりから流れる大倉深沢に出ます。
ここの川原でも思い出があります
夏に汗を吸い込んだシャツを脱ぎ捨てて、上半身裸になり川原でビールを飲みながら気持ちよくなっていると、
突然、山の中からガサガサと何かが歩いてくる音がする。
熊かと思って急いで逃げる準備をしていたら、若いアベックの登山者だった。
どうやら五色沼から下って来たらしい。
あちらも突然裸の男に遭遇しびっくりしていた。
今回はほんとうの熊に遭遇しそうなのでここでの食事はやめて谷地平の真ん中で食事をとることにした。
ここまでは登山者と会うことが無く一人ぼっちの世界が続いていたので木道で堂々と食事することにした。
今日のメニューはこれだけ!!
ゆっくり山を眺めながら食後にコーヒーを飲もうと思っていたら、忘れてきたらしい。残念!!
ここまでの歩数(朝の吾妻小富士も含みます)はこれ、俺にしてはちょっと歩く過ぎかな?
南の方を見ると駕篭山と東吾妻山が
西の方は継森から中吾妻山が
東側は前大巓と一切経山が、
北の方は東大巓から家形山の山並みが一望できます。
近代的な騒音が全くしない、ほんとうの自然の中にいると気持ちが安らぐものなんですね。
安達太良山を見ながらここには「ほんとうの空がある」と言った人がいましたが、
「ほんとうの空はこういう空なんだろうな」と木道に寝そべりながら感じた俺がいました。
果たしてここから帰る気になったのか?
タイムリミットが来たのでまたまた次に続きます。