今回は連載しています薬のリスクの症例集とちょっと沖縄です。
例13 60歳男性。 主訴:発熱。 一ヶ月前にめまい感が数分間あり、近医を受診している。 MRIの結果、陳急性脳梗塞があったため、痙攣、症候性てんかんが誘発されたのではないかと診断されカルバマゼピン、抗痙攣薬が処方されている。
二週間前より発熱が認められ、体温が39度まで上昇した。 発熱に対して抗菌薬2種類が投与されたが、効果がなかった。 血圧130/80mmHg、心拍数70bpm、呼吸16回/分で身体所見に異常は認めていない。
この患者のポイントは原因不明の発熱である。 熱があるにもかかわらず、心拍数70bpmと比較的徐脈である。 また自覚症状が熱以外になく、比較的全身状態が良い。 そこで薬剤熱が考えられる。 原因不明の発熱では感染症、腫瘍、膠原病の3つがあげられるが、薬剤熱も重要である。
薬剤熱は薬を中止すれば良くなるので、早い時点で薬剤熱の可能性を考えると治療がしやすくなる。 感染症でも比較的徐脈をきたすものがあるが、病歴と身体所見で疑うことが可能であり、薬剤熱は全身状態が良くて、所見があまりないという特徴がある。
写真は逆光で見えにくいですが島バナナです、真ん中にまあるくこちら向きについています。 こちら島バナナ畑ではなく、近所の家の敷地内になっていました、とても身近にできるのですね。
今回はこの辺で、では次回に。