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胸痛の鑑別、続き

2018-11-01 | 勉強会
 
みなさんこんにちは。
 
 
前回の続き、胸痛の鑑別です。
 


気胸:  突然の胸痛に続く呼吸困難で発症する。

外傷性、二次性、特発性がある。

緊張性気胸の場合には迅速な処置を要する。



心外膜炎:吸気時および臥位姿勢での増悪が特徴。



胸膜炎:  吸気時に増悪する痛み(胸膜痛pleuritic pain)が特徴である。



逆流性食道炎:  胸やけ様の痛み、咽頭の逆流性苦味、たまに咳などをきたす。



胸腔外の疾患による胸痛をきたすものには、胆石症または胆道系疾患、急性膵炎、横隔膜下膿瘍、頸椎症などがある。



胸壁痛をきたすものには、肋軟骨炎(Tietze’s syndrome)、モンドール病、肋間神経痛、帯状疱疹、筋肉痛などがある。



突発性胸痛は肋骨骨折、気胸、心筋梗塞、解離性大動脈瘤、狭心症、気縦隔、A群β溶連菌胸膜炎などを考える。



慢性胸痛は胸郭癌浸潤や転移または原発性肺高血圧症などにみられる。


呼吸性に増悪する胸痛は胸膜疾患に特有であり、前傾起座位で軽減する胸痛は心外膜炎に多い。




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