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新しい予防医療

2016-08-06 | 総合診療ニュース

新しい予防医療

 

 従来の予防医療では、病気の予防のために、患者個人に対して医療が行われてきました。

 

 これは通院治療を意味し、高血圧症患者に対する降圧療法、高脂血症(脂質異常症)患者に対するコレステロール低下療法、糖尿病患者に対する血糖低下療法やカロリー制限などがあります。

 

 病気が発症する前に行われる予防的な医療を一次予防、病気を発症しているが未だ「無症状の時期に発見」し発症の予防を受けることを二次予防、病気の合併症(脳卒中など)が発症しないように予防的医療を受けることを三次予防と呼んでいます。

 

 確かにこれらの医療サービスでそれぞれの患者に対しての予防効果はある程度はあります。

 

 しかし、驚くべきことに、社会全体に対しての予防効果は小さいのです。

 

 患者の大多数はむしろ中程度以下のリスクの集団から発生しています。

 

 罹患率はそれほど高くないのですが、グループとしての人口が圧倒的に多いために、少人数のハイリスクグループより、多数の低リスクグループが、より多くの病人を生み出しているということなのです。

 

 母集団があまりにも多いために、高度肥満より中等度肥満、糖尿病より耐糖能障害、高血圧より境界型の集団から出てくる病人の数が多いのです。

 

 これまでのように検診やスクリーニングをし、「リスクの高い人だけ治療しましょう」だけでは、全体としての効果はあまり期待できません。

 

 そこで、万人を対象にした早期の集団対策が必要となります。

 

 今回はここまでです、では次回に。

 

 

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