痛みの感じ方の強弱は、陽性感情(元気、幸せなど)、陰性感情(緊張、神経質など)と関連することが既に知られていましたが、最近かゆみについても同じような傾向が科学的に証明されました。
英国皮膚科学会誌(British Journal of Dermatology) 2012, 167:262 – 269 によると、健康な59名の女性を2群に分け、陽性・陰性感情をフィルム映写によって起こして(この感情の変化も質問表で確認、電気的刺激、ヒスタミン炎症を起こす、体内にある化学物質)刺激、寒冷刺激を与えてその感じた痛みやかゆみの自覚を数値で表現してもらい比較しています。
電気的な刺激では差はでませんでしたが、ヒスタミンや寒冷刺激では差が出ました。感覚の自覚の強さは、陰性感情で強くなるようで、かゆみや痛みが強くなれば余計に陰性感情が増し、さらに症状が強くなるという悪循環を来すような仮説が成り立ちそうです。
不安を強めることなく、元気に、楽しく過ごすという事が症状の軽減にも有用という科学的証拠の一つだと思います。
今回は以上です、今回のノーベル賞は医学生理学賞と物理学賞の二日連続の受賞で沸きました、2000年から、毎年1人は受賞している計算になるそうです、アメリカには到底追いつきませんが頑張れ日本ですね、では次回に。
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