みなさん、こんにちは。
次は血圧、脈拍、呼吸、体温などのバイタルサインの評価。
生命徴候とも訳されるこのサインは重要だ。
図:バイタルサイン
視診、打診、触診、聴診、などだ。
耳の診察だけをしてくれた耳鼻科の医師の診察とはあきらかに違っていたという。
そして、まさに診断のヒントが耳以外の全身にあったというのだ。
視診ではまず、顔面での両目周囲の皮膚に紫斑(青いあざ)があった。
そして腹部の皮膚には、結節(小さないぼ)があった。心臓の聴診では、第3音と第4音という過剰な心音が聴かれていたという(図)。
図:フィジカル診断
その後、知人は総合診療医から非常にわかりやすい説明を受けたという。
そこで、検査は診断の確認のために行われるもの、といわれたらしい。
検査で引っ掛ける、人間ドックは違う。
医師の診察は本来こうあるべきだろう。
納得したうえでの同意。
これがインフォームドコンセント。
腹部の皮膚生検(微小な組織を採取して病理診断を行うこと)と心臓エコー、そして骨髄生検が行われた。
病理診断は、フィジカル診断に一致していた。
「アミロイド―シス」であった。
特殊なタンパク質が組織に沈着するという病気らしい。
難聴の原因も、その物質が両側の外耳道(鼓膜から外気に通じる耳の穴)に沈着して、閉塞していたのだ。
いわば、トンネルが徐々に埋められて、ついに閉鎖されるようなものだ。
原因がわかってほんとによかった。
診断が付けば治療の方法が決まるからだ。
知人の治療が無事に済むことをお祈りしているところだ。
写真:本部港周辺
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