燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

風邪3

2015-03-03 | 講演会

 前回のフロアとの質疑応答の続きです

フロア  あまりフォーカスははっきりしないのですが、いちばん怖いのは意識障害…。意識障害とまではいえないですけど、頭部に何かイベントが発生しているかなという印象と、例えば、いちばん見逃したくないのは急性肝炎、急性心筋炎などで、感染性心内膜炎(IE)まではいきすぎかなと思いますが、それらを念頭に置いて診断をすすめます。

徳田  すばらしいですね。追加の問診で、持続的な胸部不快感、労作時の動悸、全身筋肉痛があり、心音でS3がありました。では、ファイナルはどうなったでしょうか。

フロア  急性心膜炎か、急性心筋炎のどちらかじゃないですか。

徳田  では、追加の検査は?

フロア  心電図で、全誘導でSTが上昇しているかどうかを見て、できれば救急外来で心エコーをして、もし心嚢液が溜まっていれば心嚢穿刺をするために循環器科の先生をお呼びする。

徳田  心電図、心エコーですね。血液検査はどうですか。

フロア  もちろん血液検査と、後は胸部単純X線写真を撮ります。血液検査では血算と生化学は外します。

徳田  検査を1つだけ出すとしたら何に絞りますか。

フロア  白血球だけは見たいです。

徳田  急性心筋炎、すばらしい。実は心電図で変化がありました。そしてバイオマーカーは上昇しています。心エコーでも左室にグローバルに壁運動障害があり、ウイルス疾患でも、これは非常に怖いもので、急性心筋炎と診断しました。

検査:心電図ILV3-6T inversion. CPK とトロポリン上昇あり。心エコーglobal hypokinesia

診断:急性心筋炎

 今回は以上です、次回は総括をお送りします、話変わって、フランス・モンペリエ大と米ペンシルベニア大の国際合同研究チームが発表したところによると、HIV1型の起源はカメルーンのゴリラであることが判明したそうです、どこでどうなって、人まで来たのでしょうか、怖いですね。

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