燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

早死にしないように4 連載 その98

2014-11-28 | 症例集

 引き続き、セルフケアの課題と展望の「総合医、医療への信頼」について考えていきましょう。

 「ゼロ次予防」の有力なアドバイザー的役割を担う存在として、「家庭医」または「総合医」を充実させることが望まれる。 「家庭医」または「総合医」は、健診などのメディカルチェックの結果や自覚症状により適時受診した際に、「ゼロ次予防」の有用なアドバイスを与えてくれるだけでなく、精神心理学的なサポートも含んだ全人医療を行うことができる。 住民が、信頼できる「家庭医」または「総合医」をかかりつけ医として割り当てられれば、そのもとで、慢性疾患の医学的管理下においてもセルフケアを安心して行うことが可能となる。 国レベルの医療政策で、「家庭医」または「総合医」の十分かつ適切な配置を実現すべきである。

 個々人のセルフケアの質は、医療への信頼の度合いにも依存している。 医療への信頼が高い人は、正しい健康情報の入手が豊かとなり、疾病の予防や健康づくりに有利となる。 一方、医療への信頼が低い人は、健康情報の入手手段に乏しく、疾病の予防や健康づくりに不利となる。 人々の医療への信頼度を向上させるためには、医療従事者、行政、政治の役割が重要である。

 また、メディアの役割も重要である。 民法のテレビ番組などで放送される健康関連番組には、その内容の妥当性が疑問視されていたものも多い。 放送中止に追い込まれた「やらせ健康番組」もあった。 商業主義に傾くメディアには、根拠の乏しい商品の販売を行っている健康産業とのつながりが強いところもある。 人々の社会への信頼度を向上させるためにも、メディアのモラル改善と信頼回復も望まれる。

 今回は短めですが以上です、続きは次回に。

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