心筋梗塞や脳梗塞などの患者の大多数はむしろ中程度以下のリスクの集団から発生しています。
そのような集団からの罹患率はそれほど高くはないのですが、グループとしての人口が圧倒的に多いために、少人数のハイリスクグループより、多数の低または中リスクグループが、より多くの病人を生み出しているということなるのです。
母集団があまりにも多いために、高度肥満より中等度肥満、糖尿病より耐糖能障害(経口ブドウ糖負荷試験で、正常と糖尿病の間に位置すること)、高血圧より境界型高血圧の集団から出てくる病人の数が多くなるというわけです。
これまでのように検診やスクリーニングをし、「リスクの高い人だけ治療しましょう」だけでは、全体としての効果はあまり期待できません。
そこで、万人を対象にした早期の集団対策が必要となります。
これをポピュレーション戦略といいます。
今回はここまでです、今日は一段と暖かくなるそうです、仙台では五月の上旬ゴールデンウィーク頃の気温18度位まで上がるそうです、体調崩しそうですね、気をつけて下さい、では次回に。
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