今回から新シリーズ、「こんなとき総合診療科(家庭医療科)へ」と題してお送りします。
頭痛は一般的にとてもよくみられる症状です。
ほとんどの頭痛は、脳腫瘍や脳出血といったような脳の構造の問題から起こることは少なく、形(構造)の変化として捉えられないものが多いです。
原因の多くは、緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)と片頭痛(へんずつう)です。
このような頭痛の患者さんでは、脳の構造に異常が出ないので、脳のCTやMRI検査では異常がみられません。むしろ、ほとんどが問診と診察で分かることが多いのです。
緊張型頭痛では、頭重感または頭部がしめつけられるような持続性の痛みが特徴で、肩こりや頸の痛みを伴うことが多く、夕方に症状が多いことが知られています。
一方、片頭痛はズキンズキンというような拍動性の頭痛が特徴で、多くは片側性ですが左右両側にもおこることもあります。
視野の一部が輝いてみえるような前兆や吐き気を伴うこともあります。光や音の刺激で頭痛がひどくなることがありますので、発作時には暗い部屋でじっと横になっている方が多いです。
このようない、いわゆる「頭痛持ち」の人は、自覚症状で緊張型頭痛や片頭痛がわかりますが、それ以外の人でも緊張型頭痛や片頭痛を起こすこともあります。
赤ワインで頭痛が起こる人には、軽い片頭痛を持っている方々がいます。
もちろん、頭痛の原因にはこのほか数多くの病気があり、適切な治療が救命や後遺症の軽減につながることもあります。
なかでも、くも膜下出血、脳出血、髄膜炎・脳炎、急性緑内障、化膿性副鼻腔炎、巨細胞性動脈炎、帯状疱疹などが大切です。
頭痛で受診する場合、これらのさまざまな原因を鑑別し適切な処置をするためにも、総合系の診療科への受診をお勧めします。
今回は以上です、しかし国を代表するような大企業の不祥事が続いてますね、東芝の不正経理、VWの検査データ用ソフト問題、旭化成建材のデータ改ざんと次々と出てきます、これが氷山の一角でないといいですね、では次回に。
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