新シリーズ、健康長寿は子供から、と題しまして考えていきたいと思います。
「沖縄26ショック(26ショック)」の要因の一つ、「中年世代の高い死亡率」は、生活習慣病と深いかかわりをもち、いまや生活習慣病の若年齢化が問題となっています。 したがって、子供を健康な大人にすること、若々しくて生活習慣病ないしその予備軍にしないことが重要です。
さらに、26ショックの要因として、沖縄県の「乳幼児死亡率」が全国平均を上まったことがあげられます。 乳幼児を事故や病気から守り死亡させないことも大切です。
このように、健康長寿を達成するためには乳幼児期からの対策が急務です。 将来かかりやすいさまざまな病気や事故を未然に防ぎ、健康な身体と精神をつくるために、親が子供にできることを考えてみましょう。 ここであげる乳児とは生後一年未満、幼児とは1~4歳までを指しています。
小さい頃からの不摂生で生活習慣病を早期に発症してしまうことがいくつかの研究でわかってきています。 フィンランドで実施された研究では、小児・思春期での生活習慣病との関係を考察し、思春期(12~18歳)時点での高い収縮期血圧、高LDL(悪玉)コレステロール血症、高BMI値、そして喫煙が、のちの動脈硬化と強く相関することが示されました。 つまり、乳幼児期、小児期からの運動不足、高カロリー・高脂肪の食生活により肥満、高コレステロール血症となり、さらに喫煙の若年齢化により早期に動脈硬化がみられるというわけです。
アメリカで生活していると、ファーストフードにかぎらず、高カロリーのスナック類、砂糖過多のジュースやソーダ類など、小さい頃から子供がジャンクフードにさらされている危険を感じます。
アメリカ心臓病協会の報告では、離乳食から固形食品に移行する際に、手軽なこともあり、フライドポテトを与える親が多く、フライドポテトは生後19~24カ月の幼児が最も頻繁に食べる野菜になっています。 また、ある州では小学校内のソーダ類の自動販売機を撤去したという事例がありました。
幼少期からのジャンクフード摂取は、野菜や果物を食べたがらず、スナック菓子ややわらかい食べ物を好むような悪い習慣がついてしまう恐れがあります。
今回はこの辺で、次回からも子供の健康について考えていきましょう。