方法の美徳
知的生産の方法として前回は「超然の術」をあげた。
今回は「方法の美徳 virtue of method」すなわち知的生産の「システム」についてみてみる。
これは自分自身の毎日の行動の中に知的生産活動をシステムとして組みこむ方法である。
これも100年以上前にオスラー先生が提唱したものである。
約10年前に私は聖路加国際病院に勤務していた。
その頃、日野原重明先生の知的生産システムを目撃することができた。
日野原先生はその頃、月1回程度海外出張に出かけられていた。
航空機内では睡眠や映画鑑賞など一切されずに、ひたすら原稿の執筆を行っていた。
東京から地方への出張の新幹線内でも同じである。
都内での移動は自動車。
お抱えの運転手さん付きである。
日野原先生は後方座席に乗り、さまざまな資料を参照しながら原稿執筆をされていた。
A4サイズのボードを下敷きにしてペンで執筆されていたので、車の振動があっても書き続けることができたのである。
書き上げられた原稿はどこからでもファックスでご自宅に転送されていた。
田園調布のご自宅で作業している秘書さんがそれをタイピングしているのであった。
世界中どこのホテルからでもファックスが送られてきているのである。
ちょうどその頃は毎月1冊程度の本を出されていた。
いちにちに3回の公演を各地で行いながらのこのステキ生産量である。
圧倒的だ。
知的生産のシステムとしての方法の美徳を身に付けた達人といえよう。
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