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黄色爪症候群のケース解答

2021-04-30 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。
 
 
 
答え:ブシラミン
 
 
 
その後の経過:患者本人と相談し、説明の上で同意を得、ブシラミンを終了。
 
その後数週間で症状は軽快した。
 
 
最終的な処方は以下となった。
 
メトトレキセート 2 mg  2錠分2(週2日のみ)
 
プレドニゾロン 5 mg 1
 
乳酸カルシウム 2g分2
 
アルファロール 0.25 µg 11カプセル
 
 
 
◆ポイント解説
 
関節リウマチ患者では黄色爪症候群(爪の黄色、リンパ浮腫、肺病変)を発症するリスクがあり、関節リウマチそのものが原因のことがあるが、薬剤性のことも多い。
 
 
抗リウマチ薬であるブシラミンやDぺニシラミン、金製剤は、黄色爪症候群との関連が指摘されている。
 
 
このような薬剤を投与中の患者診療では、爪やリンパ浮腫のチェックを行うとよい。
 
 
爪の黄色化や両下肢の浮腫、肺病変(胸水、気管支拡張症)などを認めたら、薬剤の中止または減量を考慮すべきである。
 
 
爪の変化やリンパ浮腫が肺病変(胸水、気管支拡張症)に先行することが多い。
 
 
今回のケースは、ブシラミン内服後約1年で爪の症状、その後に下肢リンパ浮腫と胸水が出現して、内服終了後に軽快したことから、黄色爪症候群の原因はブシラミンであったものと考えられる。
 
 
ブシラミン等のチオール基薬剤はSH基を有し、アミノ酸のシステインがシスチンへ合成されるステップに作用し、ケラチン生成に影響を与える。
 
 
ケラチンは角質の重要な成分であり、その合成障害は爪の成長に影響をもたらす。
 
 
今回のケースでは、リウマチのコントロールは現処方で良好であり、メトトレキセートとプレドニゾロンはそのまま続行とした。
 
 
カルシウムとビタミンD製剤は、ステロイド骨粗鬆症の進行予防であるので、これもそのまま続行とした。

 

 

写真:浦添市にあるサンエーパルコシティ

その前に広がるカーミージー

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