燃えるフィジカルアセスメント

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健康的な食生活 連載 その31

2013-05-14 | 本の紹介

 今回は健康長寿のためのライフスタイルのなかで最も重要である食についてです。

 日々のエネルギー源になる栄養素は、三大栄養素である、タンパク質・脂質・炭水化物です。 エネルギーが不足すると、体重が減り、体力がなくなるだけでなく、集中力も低下します。 また、やせがひどくなると、感染症などにかかりやすくなります。 逆にエネルギーのとりすぎは、肥満や生活習慣病の原因となります。

 三大栄養素であるタンパク質・脂質・炭水化物のバランスは3:5:12といわれています。

 タンパク質には動物性と植物性があり、バランスよく食べることが大切です。 現代の日本は、動物性タンパク質の量はほぼ充足しており、そのバランスは、1:1が理想的といわれています。動物性タンパク質をとりすぎると、動物性脂肪のとりすぎを招き、生活習慣病や大腸ガンの恐れが出てきます。 そのため、代わりに植物性タンパク質をとるべきです。 大豆食品を有効に利用するとよいでしょう。 

 大豆は日本の伝統食の一つであり、とくに大豆に含まれているイソフラボンが注目されています。 大豆イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」類似の生理作用をもち、コレステロールや血圧を低下させ、骨粗しょう症の予防にも有効である可能性が示唆されています。 男性では、前立腺ガンの予防効果があることも示唆されています。

 イソフラボンの摂取目標は、一日に40mgです。 豆腐なら150g(半丁)、納豆なら60g(1パック)です。 われわれ日本人の食生活になじみのある大豆食品を食べることにより、イソフラボンを摂取することができます。 また、大豆は「畑の肉」といわれ、100g中に良質のタンパク質を約33gも含んでいます。 人間の身体の約30%はタンパク質でできており、骨や筋肉だけでなく、血液、爪、毛髪にもタンパク質が含まれています。

 魚や海藻類をよく食べることも重要です。 動脈硬化を予防する、多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)、そしてタウリンを多く含んでいるためです。

 脂肪の摂取は植物性脂肪を中心とする食生活が健康的です。 歴史的に脳卒中が虚血性心疾患より多い日本人の場合は、コレステロールが低すぎる場合、脳出血やクモ膜下出血が多くなることがわかっています。 脳出血で死亡した患者を病理解剖した研究によると、低コレステロールの患者の脳血管の壁が脆弱になり、破れやすくなっていたことがわかっています。 最近われわれも、低コレステロールの人でクモ膜下出血がおこりやすいことを報告しました。

 今回はこの辺で、次回も引き続き食について考えていきましょう。

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