※長文でございます
“出掛けよう”
そう提案すると、家人は面倒くさそうに準備を始めました。その女性(にょしょう)独自のペースに、ほとんどの殿方は理解が出来ず翻弄されるであろう時間が始まります
“誰が見るのだ?”
“(化粧をして)何か違いがあるのか?”
“そもそもこの時間に価値があるのか?”
そう言った多くの言葉を決して発せずにぐっと飲み込むことが、「男の美学」であることに遅ればせながらこの年になって極めたかもしれない
とにかく予定していた出発時間よりも大幅に遅れながらも、電車から降り立ったのは神奈川県にある伊勢原駅。本当なら(ZUYAさんだけが休日であった)前日に軽登山の装備をし早朝から本宮のある山頂まで登る予定でしたが、先述の通り疲労が溜まり過ぎて目覚めたのが午前8時半過ぎだったので諦めたわけです
駅から望む大山
駅前にある鳥居
ZUYAさんが最も愛する山の一つで、“伯耆富士”とも呼ばれるのは鳥取県にある大山(だいせん)。首都圏の人がよくその呼び名を間違えるのは、この伊勢原市にある大山(おおやま)があるため。ちなみによくスーパーで耳にする「大山地鶏」は“だいせんじどり”ですから、鳥取県産になります
余談ですが、訪れた2月11日は建国記念日。その信憑性をほとんどの人が疑うこと無く、“祝日である”と言うことだけ重視して長い年月を過ごしているわけです
伊勢原駅からはバスに乗ります。他の路線でも幾度となく利用させて頂いている、“かなちゅう”こと神奈川中央交通株式会社。その略称を車内放送等で使っているのを聞く度に、ゾッとしてしまうZUYAさん。若者に媚び過ぎているような気がするのです
この(登山を含む)大山詣りに際してバスを利用する方のほとんどは、「大山ケーブル」と言うバス停まで乗車しますが、ZUYAさん夫婦はその幾つか手前の「大山駅」で降車することに(“駅”と付いていますが、いわゆる鉄道の駅ではありません)
独特の参道を進みます。参道には土産物屋だけでなく旅館(宿坊)が数多く並びます。それらの宿の看板には必ず「先導師」と言うものが明記されています
先導師とは大山信仰の布教や講の世話をする宿坊の主人のこと
そしてこの地はコマが有名
ケーブルカーの乗り場にある謎の...
ケーブルカーで登った標高700m近い所にある阿夫利神社下社。ここからの眺めは圧巻の一言。湘南の海岸線から江ノ島、三浦半島、その向こうには房総半島までもが魅せてくれます。そしてそれら全てが浮かぶ大海原である太平洋がその偉大さを更に魅せつけてくれます
こんな景色は数年前に、香川県観音寺市の稲積山の山頂にある高屋神社を訪れて以来見たことがありません(この時のブログはこちら)
ケーブルカーからの景色
到着~
更に階段を上るのです
江ノ島、三浦半島を望む
またもや伊豆大島が見える
やはり鳥居越しのこの風景が一番かな~
この下社から本宮(奥宮)にあたる大山頂上までは片道90分、もちろん登山靴必須のコースとなります。またいつの日にか訪れたいと思います
さて帰りはケーブルカーを利用せずに登山道に当たる「女坂」を利用して下山することに。その理由は中腹にある大山寺を訪れたかったので
“(山道は)飽きた”
“膝が痛い”
“明日の仕事に差し支える”と
人の(登山における歩き方の)アドバイスなんぞには耳もかさずに、ひたすら泣き言を吐き出す家人...う~ん、この人とは登山は最初で最後だなと改めて確信したZUYAさんであります
女坂より
大山寺にて
大山寺参拝の後は家人のコンディションを鑑みて、ケーブルカー(珍しく途中駅がある)で下山することに...優しいなぁ俺
再び土産物屋や食事処が連なるエリアに戻り、夫婦がランチに選んだのは「旅館ねぎし」。2人共「大山御膳」なるメニューの中で一番高い物を選びました。ビールは2人で中瓶3本
ケーブルカーは二つの顔を持っていました
名物の豆腐料理も付いた牡丹鍋と紅葉鍋を頂き、バス停へと向かいました。見た目より意外とお腹に溜まらなかったようで、そのバス停に着くまでに、更にコンニャクのおでんを一本ずつ頂きました
伊勢原駅に着くとZUYAさんの悪い癖である“もっと飲みたい!”が始まり...2人でお店を探し求め駅界隈を歩き倒しましたが、ピンとくる店はありません
諦めて電車に乗ろうかと思った時、駅に隣接する建物に「ポリネシア」なるレストランを発見。入口にあるメニューと名前で、夫婦意見が一致したので突入しました~
謎のトロピカルドリンクを頂く
シラスのチーズ焼き
ソーセージの盛り合わせ
ZUYAさん夫婦が好むエキセントリックな店内、メニュー、そのわりには店員は至って普通であることに大受け。味もなかなか美味しかったです(〆に自家製のミックスピッツアまで...)
この後は小田急に乗り新宿に向かうわけですが、なかなかの込み具合。次の停車駅で家人だけは座ることが出来ました
ところがさらに次の駅に着くと、突然席を立つ家人。子供連れの若いお母さんに席を譲ったのです。久々に山道を歩き、ZUYAさんと同じようにほろ酔いであるはずの家人。彼女の弱者への心配りに改めて感銘を受けた夜になりました(その後、新百合ヶ丘駅から2人とも座ることが出来ました)
Have A Good Night,Folks!