英国で、航空機テロ未遂の犯人を、20数名逮捕したとのこと。大変なセキュリティチェックが行われ始めた。NYのツインビルに航空機が体当たりし倒壊したことなどを思い出した。
某国(どこか思い出せない)、みすぼらしい地方空港だったと思う、小生はきちんとスーツを着・ネクタイ姿・いわゆる“お偉いさん”の格好である。
おもむろにカウンターに行く、小生がたどたどしい英語で切符をくれと言うと、全職員がいなくなってしまった。英語の話せる人を呼びに行ったのである。待っている間、近くに居た“おこじきさん”に幾らかの“お恵み”をしたように記憶している。
乗ったのは、ツギハギだらけのポンコツプロペラ機である。普通なら、博物館でしかお目にかかれない。
ようやく機上の、人になった、席は中ほど翼の上付近、キャビン後方を見渡して、びっくり仰天。
大きな額に入った絵を抱えた男、生きたニワトリを十数羽ひもで縛ってぶら下げている男、インディオ風の女性が赤ちゃんにおっぱいを飲ませている、子豚数匹を連れた男、人相それぞれ風体さまざま、混沌の極みであった。
ごちゃ混ぜ乗客である。美人スチュワーデスはいない、髯もじゃの汚らしい格好の“おっさん”が、それらしいサービスをしてくれた。
ところが、驚いた、後ろの席から、あれこれ差し入れが来る、変な臭いのするとても美味しいとはいえない“みょうちきりん”な食べ物だったように記憶しているが、有難く頂戴した。
前方には、精悍な面構えのお兄さんがいた、ラフなギャング風の格好、黒のアタッシュケースが手錠で手首にぶら下がっていた、とても怖そうなので一切話をしなかった。
また、白い背広の紳士・淑女然とした奥さんのカップル、お金持ちらしい数組の家族などがいたが、まったく知らぬ顔の“はんべい”であった、とてもお高くとまっていた。
周りの庶民幾人かと、ジェスチャーゲームよろしく国際交流を続けること数時間、無事到着。
鈍行列車に揺られるような、のどかな旅行を満喫できた。
セキュリティーチェックなどどこにも無かった。こんな世界が来るといいのだが・・・、とても望めそうに無い。