造船会社に長年勤めていた関係で船と馴染みがある。しかし、船酔いには決して強い方ではない。若い頃時々試運転に乗船しては、何度か船酔いに苦しんだ。
他方、個人的には船好きでもある。次のような珍しい企画を知った。
“ 国際フェリーで海外旅行 「下関 <―> 韓国光陽市」 光陽フェリー就航記念特別企画!” という観光案内に目が釘付けになった。
夏休み限定2本、残りは8月26日出発分のみという、急ぎ予約したのが6月中だった。
韓国語講座に参加して1ヶ月目である。8月の出発までには約2ヶ月の勉強期間があった。
最低限の到達目標は、ハングル表記の地名や行き先、看板などがどうにか読めるようになることである。将来の一人旅に備えて、ハングル語の地図が読め、地名表示が分かり、切符や乗り物の行先表示などがどうにか分かるようになること、である。
今回はその予行演習として、1987年にソウルで購入した畳一枚ほどもある観光地図(日本語・英語併記版 1983年7月発行、3000ウオン)を頼りにして、日本語表記により地図上に観光経路をひいた。
そして訪問予定地それぞれの座標を確認しておき、続いてGoogle MAP上のハングル地名からそれらを探し出して詳細な所在地を確認するという作業を行った。
これは、小生がハングル地図をどの程度読める能力があるかという、テストであった。
(現地1日目)光陽(광양カンヤン)―>南原(남원ナムウオン)―>淳昌(순창スンチャン)―>潭陽(담양タンミャン)―>光州(광주クワンジュ)泊―>
(現地2日目)光州(광주クワンジュ)―>和順(화순ファスン)―>宝城(보성プソン)―>順天(순천スンチョン)―>光陽(광양カンヤン)
わずかこれだけの作業に2時間もかかった。現時点では、小学1年生がたどたどしく平仮名を読んでいるのと大差ないのである。
これでは旅が円滑には進まない。さらなる勉強が必要であると認識した。七十の手習いの道遙かである。