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鉛筆の選び方、オートバイの選び方 ( 鉛筆とオートバイ シリーズ第3編 )

2022-03-26 02:16:28 | オートバイ基本講座の基本

  
 ・ ・先に書いた記事(第2編)が分かり難いという指摘を受けた。
         実際、改めて読み直してみると、やっぱり、分かり難かったので、
    追加で説明したい。

 


『 オートバイの “芯” の硬さ 』


では、多くの人は鉛筆を選ぶ時、シャープペンシルの芯の選択と同様に、一番書きやすい芯の硬さを選ぶ。一般的に、「HB」を基準にして、書き味や文字の印象が柔らかいのが好みの人は 「B」から「1B」、「2B」へと芯が柔らかい鉛筆を選ぶ。 そして、書き味と文字の印象が硬めが好みの人は 「F」から「H」、「1H」へと芯が硬い鉛筆を選ぶ。
とは言っても、人によって筆圧も違えば書き味の好みも違うので、「B」で硬いと感じる人もいれば、「2H」でも柔らかいと感じる人がいる。つまり、基準を参考にしながら、一人ひとりが手の大きさや体力、何に書くかに合わせて選ぶのが一番大切だ。

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そんな鉛筆の芯の選び方はオートバイの選び方と同じだ。つまり、低速域から乗り味が柔らかい乗り味が好みの人は “芯” の柔らかいオートバイを選ぶべきだし、多少乗り心地が硬めでも高速域でしっかりとした手応えのある乗り味が好みの人は “芯” が硬いオートバイを選ぶべきなのだ。 そして、オートバイメーカーは、鉛筆の場合と同じ様に、販売するオートバイ毎に“芯” の硬さを表示すべきなのだ。

鉛筆の場合、好みと違っていて、思った様な文字が書けなければ買い替えれば良いが、高額なオートバイの場合には、簡単に買い替えれない。しかも、思った様に乗れなければ、楽しくないだけではなくて、オートバイを適切に使い切れない事になり、事故に繋がる危険性が高くなる。だから、“芯” の硬さに相当する基準をオートバイメーカーははっきりと示す責任がある。

 

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『 “芯” の硬さの見分け方 』

とは言っても、オートバイメーカーが自発的に責任ある行動を待っていても、よほど大きな社会的批難を受けたり、経済的メリットが大きくならない限りは簡単には変わらない。だから、購入する際にはオートバイの仕様書から以下の項目をチェックするのがお勧めだ。

  1. ホイール ストローク量
  2. 車重
  3. 最高速度
  4. 乗車定員
  5. 主な用途

1. 「ホイール ストローク量」とは
、サスペンションの働きによって、前輪と後輪が上下方向に移動できる量の事で、車体設計時に決めてある量だ。良識ある情報サイトでは mm単位で表記されているので、それを確認して、前輪では 130㎜ 以上、後輪では 140㎜ 以上あればストローク量は長めの設計になっていて、一般的にスプリングレートは低目で、乗り味は柔らかく感じられる。

2. 「車重」は、乾燥重量で 160㎏ 以下、装備重量で 180㎏ 以下の車両であれば車重は軽い部類に入り、軽い程に スプリングレートは低く、当然、乗り味も柔らかく感じられる。

3. 「最高速度」も車両設計時に決まっていて、速度が高ければ高い程(速度比の2乗に比例して)路面からの衝撃が大変に大きくなるので、最高速度が高い車両ほど スプリングレートが一気に高くなっていて、乗り味はとても硬く感じられ、100㎞/h 以下、中速以下では乗り味はとても硬く感じられて、車両のコントロールが難しい場面も増えてくる。

4. 「乗車定員」は 1人乗り用か、2人乗りが可能になっているかで、当然、車両重量の場合と同様に、1人乗りで設計された車両の方が スプリングレートは低く設計され、乗り味も柔らかくなる。

5. 「主な用途」は、高速道路など高速走行を主な用途として設計されているか、オフロードなど舗装路以外の路面での使用を主に考えて設計されているかで、当然、高速走行が主な用途の車両の方が スプリングレートが高く、乗り味は硬くなる。

以上 5項目を確認すれば、その車両の乗り味が 硬いのか、柔らかいのか判断する際の有効な指標になる筈だ。

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『 “芯” の硬さの変更 』

とは言っても、好きになってしまったオートバイだったら、「乗り味は硬い筈」と判っていても、購入したいのは人情だ。それに、既に購入済みのオートバイの乗り味に悩んでいる人の為に、購入後に出来る “芯” の硬さ変更の方法を紹介すると以下の通りだ。

  1. スプリングの変更
  2. 主要なボルトの締結トルクの変更
  3. プリロード量(イニシャル荷重)の変更

1. 「スプリングの変更」は、最も確実な “芯” (乗り味)の硬さの変更手段で、この方法が正真正銘の王道であり、それ以外の方法は便法と言える程だ。だから、リアサスペンション ユニットを交換する際には、必ず数種類のレートのスプリングを用意して、最も体格や体重、感性に合うスプリングレートのスプリングを選ぶのが当然と言える。スプリングの選択や交換が容易な社外製のユニットだからこそユニット選択の価値があると言っても過言ではない。

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また、同様に、フロントスプリングについても数種類のスプリングを用意して、最適な乗り味の硬さが選べる。 ただ、特にフロントのスプリング選択は、よほど優れたエンジニアの方がいないと最適スプリングと巡り合えないかも知れない。

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2. 「主要なボルトの締結トルクの変更」は、前後のアクスルシャフトやサスペンション ユニットやリンクの固定ボルトの締付けトルクを、整備マニュアルで指定してあるトルク値から変更する方法だ。当然、作業と作業結果は各自が責任を持つ必要があるが、乗り味を柔らかくしたい場合には、指定トルク値から 10~30% 程度を目途に低くする手法は珍しくない。但し、ボルトのねじ山のケアは適切に行ない、ねじ山の汚れや変形、座面の歪みなどは最適に整備・修正するのが先に必要だ。

3. 「プリロード量の変更」は、簡単に誰にも出来る様になっているから、多くの人が知っている事で馴染みがあるから、「プリロード(イニシャル荷重)を調整すれば硬さも変わる」と思われているが、それはプリロード本来の意味を理解してないだけの事。便法としてのプリロード量の変更はあり得る程度に理解するべきだ。

 

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