今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

刃物の日

2005-11-08 | 記念日
今日(11月8日)は「刃物の日」
岐阜県関市・岐阜県関刃物産業連合会・新潟三条庖丁連・越前打破物協同組合・東京刃物工業協同組合・京都利器工具組合・高知土佐山田商工会・島根県吉田村・堺刃物商工業協同組合連合会が制定。「いい(11)は(8)」の語呂合せと、ふいご祭が行われる日であることから。
刀は武士の魂と言われ、鎌倉から江戸に至る千年余にわたって武士の主たる関心事で、名のある武士は、所持する刀にもこだわっていたようである。思えば、戦時中、我が家にも刀が有った。戦時中は刀などは拠出しなければならなかったはずだが拠出せず、無用心な時代であったので、護身用に備えて隠し持っていたのだろうか?。戦後、屋根裏などに隠していたなどと言う人たちの話を良く聞いたが、我が家では、特に隠すというわけでもなく、床の間の横の違い棚の奥にしまっていた。子供の私には、その刀が良いものか悪いものかは知らないが、恐らくたいしたものではなかったろう。当時子供はチャンバラごっこが大好きだったので、当然刀も好きであった。だから、触ってはいけないと注意されているのに、時々出してきて、刀を鞘から抜いてそれに見とれていて良く怒られた。名刀でなくても、子供心に、抜き身の刀をじっと見ていると、なんとなく、吸い込まれるようになり、何か、切り付けたい衝動に駆られるから不思議である。だから、戦後の映画などで村正の名刀を所持していると、その妖気で人を切りたくなり、辻斬りをするなどといった映画を良く見たが、なんとなく、その気持ちがわかるような気がする。
そんな我が家の刀も、戦後には処分したのであろうなくなっていた。戦後は、GHQによる“刀狩り”によって大量の名刀が失われたというが、それでもいまなお日本刀は数多く残っており、国宝だけでも百点をこえるという。日本刀の主要製作国は山城・大和・備前・相模・美濃といわれているが、その中で、誰もが知っている名刀には、先の「正宗」や、「村正」「関の孫六」「備前長船」」「虎徹」などといったものが有るよね~。
「正宗」は誰もが知っているであろう刀工中の刀工。それだけ有名にもかかわらず、古来正宗の名刀として珍重されている刀はほとんどが無銘なのだそうだ。それゆえに、何処で産まれて何処で死んだのかすらハッキリしない幻の刀工だとか。そのため、当時でも無銘というのが常識になっていたことから、贋刀が多く出回ていたという。
我が国の刀剣史上、稀にみる妖刀として名高いのが村正の刀。邪悪な刀工であった村正の手によって生み出され、自らの意思を持つかの如く血を欲する妖刀。村正作の刀剣が不本意にも妖刀とされたのは、江戸幕府を開いた徳川家康の祖父、父、嫡子、更には家康自身に至るまで、全て受けた刃傷はこの村正作であったという因縁に起因しているのだといわれている。
「今宵の虎徹は良く切れる・・」などといった、名文句で有名な新撰組局長 近藤勇の愛刀として名高い名刀が「虎徹」。「虎徹」は江戸時代前期に活躍した刀工で、切れ味がよいので、大名クラスに人気があったようだが、肝心の近藤勇の所有していたものは実際には贋作だったらしい。
その他よく知られているのが「関」や「備前長船」などである。これらはいずれも室町の頃から戦場刀として、実用本位で数多く作られてきたものらしいが、この関と備前長船が、戦場刀の二大産地だったらしい。「関」のものは、その中でも、実用本位で切れ味がよいとして、人気が有ったという。そして、関では、「関の孫六」と言われる刀工が居て、この名前の語ろの良さが知名度をあげたという。
時代が変って、今ではこれら刀の産地は刀剣を作っていた技術を生かして、刃物の町に生まれ変わっている。昔、私が子供の頃には、台所用の刃物として、三徳庖丁、出刃庖丁、菜切り庖丁、刺身庖丁など何種類かの包丁があったが、今は、一種類しかない。今では、どこの家庭も同じではないか。しかも、その包丁も、一般家庭では、鉄の包丁ではなく、ステンレスの包丁を使用しているところが増えてきているのではないだろうか。しかし、ステンレスの包丁は、すぐに切れなくなってしまう。其の点、昔からの日本の鉄の包丁は、包丁を研ぎさえすれば、何時までも切れ味が良い。我が家のものは、三徳庖丁1本しかないが、これは、町の昔からある刃物屋さんで買ったもので、刃物にはそこの店の名前が刻まれている。それほど高級なものではないが、定期的に、研ぎに出しているが、本当によく切れて使いやすい。包丁だけでなく、植木バサミ、裁ちバサミなど、刃物類は、少々高くてもちょっと良いものは使いやすいね~。
(画像はモデルの刀剣)
参考:
はてな 刀剣についてできるだけ詳しく教えてください。
http://hatena.ne.jp/1086060021
関の孫六兼元(五郎入道正宗、備前長船の刀工、伊勢千子村正、長曽祢虎徹のことも)
http://www.n-p-s.net/T_Mogoroku.htm
岐阜県関市
http://www.city.seki.gifu.jp/