今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

ニイタカヤマノボレ1208

2010-12-08 | ひとりごと
12月8日と言えば皆さんは何を思いだしますか?
日本記念日協会で調べると、協会認定の記念日に「ジュニアシェフの日」。その他の記念日に「ジョン・レノン忌」、「太平洋戦争開戦記念日」がある。
協会認定の記念日にある「ジュニアシェフの日」について由緒書によれば“「ジュニアシェフ」とはこどもを対象とした料理の教授、教室の企画・運営・開催を指すもので、福岡県久留米市に本社を置き、食品卸売業・レストラン事業・旅館業・農業などを手がけるベストアメニティ株式会社が有する登録商標。記念日は食育の一環として、食文化、作法、食材などの知識を広めるために同社が制定。日付は12と8で「ジュニアシェフ」と読む語呂合わせから”・・・とある。
同社は、国内産の16種類の穀物を配合した雑穀米「十六雑穀米」などを販売しているらしいので、その販促が目的のものだろう。ここのところの記念日ブームに便乗したいわば企業のCM的な記念日だろう。最近は、この手の記念日が急増している。長期にわたり経済の低迷している今の時代、企業も生き残りをかけて必死なのだろう。私の好みではないが、最近は少々このブログもネタ切れになってきたので、時々、この手の記念日も記念日のタイトルを拝借して書いているが、中身は関連した他のことを書いていることが多い。
その他の記念日「ジョン・レノン忌」のことについては、2004(平成16)年の今日「レノンズデー(Lennon's day) 」として書いたし、6月29日「ビートルズ記念日」でも触れた。
ジョン・レノンのパートナーであり、前衛芸術家のオノ・ヨーコの提唱のもと売上金からチャリティし、「世界の恵まれない子どもたちに学校を贈ろう」と2001(平成13)年から毎年ジョン・レノン音楽祭の一環として「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」が、開催されているが、特に2010(平成22)年の今日12月8日は、ジョン・レノン が自宅アパート前で、狂信的なファンによって、拳銃で射殺されてから30年目の日ともなるので今日、日本武道館(東京・北の丸)では、豪華なゲストを招いて盛大に行なわれるようだ。マスコミなどではジョン・レノンや、「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」の話題で賑わうことだろう。
しかし、私達戦前子で、戦争(第二次世界大戦)の惨禍を経験してきた年代の者にとって、「12月8日」といわれて先ず思い出すのは、真珠湾攻撃の暗号「ニイタカヤマノボレ」である。
日中戦争4年目の1941(1946)年、欧州諸国により行われていた中国大陸での植民地獲得競争に遅れを取っていたアメリカと明治以来アジア唯一の先進国となっていた日本が中国大陸での権益をめぐり対立するようになる。当初は日本を支援していたアメリカが、日本と争っている中国を支援するようになり、日本とアメリカの関係は険悪の一途をたどる。
そこで、かって駐米大使館付海軍武官であった知米派の野村吉三郎が大使に任命され、同年2月4日より日米交渉が始まったが、双方の思惑と誤解もあり交渉は難航。相互不信のなか6月22日の独ソ開戦に乗じて陸軍が南部仏印進駐を強行すると、アメリカは石油の全面禁輸で応じた。四面楚歌のなかで対米強行論が急速に高まるなか、11月26日、アメリカから示されたハル・ノート(中国からの撤兵・三国同盟からの離党・蒋介石政府の承認などが盛り込まれていた)を最後通帳と見做した日本は、12月1日の御前会議で、外交交渉を打ち切り、即時開戦(対米宣戦布告は真珠湾攻撃の30分以上前に行うべきこと)が決定された(以下参考に記載の※1:「対米英宣戦布告演説」にて、東条英機首相の甲高い声の生の演説が聴ける)。
そして、12月2日、ハル・ノートが提示される以前に択捉島単冠湾を出航していた機動部隊に向けて、暗号電報「ニイタカヤマノボレ一二〇八」が千葉県の船橋海軍無線電信所から送信され、戦艦アリゾナ等戦艦11隻を撃沈、400機近くの航空機を破壊して、攻撃の成功を告げる「トラトラトラ」という暗号文が打電された。

上の画像は、炎上するアメリカ海軍戦艦「アリゾナ」
ニイタカヤマ(新高山)は当時日本領であった台湾の山の名(現・玉山)で当時の日本の最高峰であり、一二〇八(ヒトフタマルハチ)とは12月08日のことで、「日本時間12月8日午前零時を期して戦闘行動を開始せよ」の意の符丁であった(ちなみに、戦争回避で攻撃中止の場合の電文は「ツクバヤマハレ」であったそうだ)。

上の画像は、台湾の玉山東峰(左・3869m)と玉山主峰(右・3952m)。
船橋海軍無線電信所は日露戦争後、聯合艦隊の行動範囲の拡大に伴い東京近郊の東葛飾郡船橋町周辺にある塚田村行田(現船橋市行田)に設置された海軍の無線電信施設であり、戦後は、進駐軍(日本を占領した連合国軍)が接収、1966(昭和41)年に返還されたが1971(昭和46)年5月19日から解体され、今は、行田公園に記念碑が東西の広場を分ける道路から西広場入口付近にあるそうだ。
結局、8ヶ月に及ぶ日米交渉は思惑と誤解が先行したまま終わり、元々は、ワシントンで交渉していた野村吉三郎・来栖三郎両大使がアメリカ側に最後通牒を手渡してから攻撃を開始することになっていたものが、最後通牒の文書の作成に時間がかかったため、事実上奇襲攻撃となってしまい、「真珠湾攻撃は日本軍の騙し打ちである」とのアメリカのプロパガンダに使われることになってしまったのは残念なことである(アメリカ軍はRemember Pearl Harbor !「リメンバー・パールハーバー」」を戦争遂行の合言葉とした)。
以後、3年6箇月に及ぶ大東亜戦争対米英戦(太平洋戦争)が勃発したのである。この真珠湾への奇襲攻撃の日が、「対米英開戦記念日(太平洋戦争開戦記念日)」であるが、このことについては前にこのブログで書いたのでここを参照してください。
1941(昭和16)年の真珠湾攻撃は、私の生まれたほんの数年後の出来事であるが、戦後69年を経過した今の日本では「ニイタカヤマノボレ」なんて言葉はもう知らない人が殆どになったであろう。そして、敗戦後の被占領期に作成された日本国憲法では、日本が二度と戦争を起さないようにするために憲法第9条は"戦争の放棄"と"戦力不保持"、並びに"交戦権の否認"を定めているため、憲法前文の記述及びこの条文から日本の憲法は「平和憲法」などと呼ばれ、この憲法の解釈上から自衛隊は「戦力」にはあたらない組織などとされており、自衛隊は日米安全保障条約と同条約に基づいて駐留している在日アメリカ軍の存在を前提にして組織されている。そのためアメリカ軍の協力なくして日本単独では自国を守れない状況にあるのに、占領時にアメリカによって作らせられたこの「平和憲法のお陰で日本の平和がある」・・などという平和ボケした日本人が多く、以後、後生大事にこの憲法を改正することもなく今日に至っている。
よく、中国や韓国などから日本が侵略国家であるなどといわれ、また、敗戦後の日本の教育でもそのようなことが教え込まれ、日本人の中にも本当にそのように思っている人が少なからずいることを非常に残念に思っている。
日本が明治維新を迎えた当時を振り返ってみると判るが、その当時は既に、世界列強による植民地獲得競争が最盛期を迎えており、アジアの中で真の独立国は唯一日本だけといえる状況であった。そのような弱肉強食の時代に欧米列強の包囲網の中にあって、明治新政府が自国の防衛と独立を確保し、さらに国の成長発展を遂げるのは極めて困難なことであり、明治新政府には富国強兵への道を歩まざるをえない必然性があったのである。
明治新政府は、隣国の清国・朝鮮と協同して列強に対抗する道を求める努力もしているが、各国の政情がそれを許さず、ロシアの南下政策など列強の脅威が増大するに従って軍部はその防衛戦力の増強を進めていった。そして、新興国日本が、産業発展の途を中国大陸に求めるや、その前面に立ちはだかる清国およびロシアと衝突するに至り、以後、日清戦争、日露戦争、ついでシベリア出兵、満州事変などの戦争へと繋がり、満州事変以降、アメリカが、日本の大陸政策を否認する方針をとり、政治的・経済的にも日本を圧迫し、1939(昭和14)年には、「日米通商航海条約」を一方的に破棄し、全面的に対日経済の断交を図ったことから、日本は止む無くそれまでの対米依存経済を修正して、南方諸国を含めた東亜共栄圏にわが国の生存と発展の基盤を求めたのが、大東亜戦争(太平洋戦争)へと突入した経緯である。
これは、日本が好んで戦争を仕掛けたのではなく、戦争に突入せざるをえないようアメリカに仕向けられたものであることを分かって欲しい。(以前、このブログ神戸大空襲の日の中で、「神戸大空襲の日【余談:大東亜戦争へ突入の原因】」として書いたので参照してください。また、Wikipediaの「真の近現代史観」懸賞論文なども参照)。
話し変わって、今年(2010年)9月、日本の領土である尖閣諸島沖で領海侵犯をした中国漁船に対し、海上保安庁の巡視船が退去を命じるも、それを無視して漁船が違法操業を続行し、逃走時に海上保安庁の巡視船に衝突を繰り返し巡視船2隻を破損させたため、海上保安庁が同漁船の船長を公務執行妨害で逮捕し、取り調べのため石垣島へ連行し、船長を除く船員も同漁船にて石垣港へ回航、事情聴取を行ったことに対して、中国側が日本に抗議をしてくると、漁船も船員も返還した上、取調べ中の船長までおも、日本の法律に照らし粛々と裁くこともせず解放させてしまうという事件が起った(詳細は尖閣諸島中国漁船衝突事件参照)。
その上、中国漁船が追突してきたときの証拠のビデオを、日本国憲法で知る権利(Yahoo!百科事典参照)を保障されている国民に公表もしないくせに、そのビデオを動画サイトYouTubeに流出したと名乗り出た第五管区海上保安本部の海上保安官を逮捕させようとする・・・など、なんとも弱腰と言うよりも、腑抜けの民主党菅直人首相や仙谷由人官房長官の対応を見ていると、日本の将来が危ぶまれて仕方がない(このことも、先日〔 11月26日〕のブログ「沖ノ鳥島をコンクリート保全」でも書いた)。
今、経済力を身につけた中国は、虎視眈々と領土拡張を目論んでおり、ロシアも、戦後のどさくさに進出し不当に実効支配をしている北方領土を日本に返還することなく我が物にせんと動き出している。
そのような状況の中、命を懸けて日本の海(領海)を守っている海上保安庁の人たちは、はらわたが煮えくり返るほど腹が立つというよりも、情けなくて仕方がないだろう。こんなことで、日本の海、いや、日本の領土を守ることができるのか。特に「自衛隊は暴力装置」などと発言をする左翼的な人間(仙谷氏)が、影の民主党党首などと呼ばれ、民主党政権を牛耳っているらしい・・・などと聞くとそら恐ろしい感じがする。
又、11月23日、北朝鮮による突然の韓国砲撃事件が発生したが、その時の民主党菅首相の動きなど見ていると、とってもこの人達には、政権を委ねてはおれないとますます感じた。私も自民党政治からの転換を求めて民主党を応援はしてきたが、こんな無能な人たちばかりであったのかと今更ながらに驚いている。民主党総裁選に破れ金銭問題でマスコミなどにたたかれている小沢氏が党首時代に、今の民主党にはまだ政権担当能力はないと言っていたが、さすが政界の大ベテラン、確りと自己分析をし、彼らの能力を見通していたようだ。
世界の無法国北朝鮮が自らウラン濃縮施設を公開するなど核兵器計画(北朝鮮核問題参照)がかなり進んでいる可能性が排除できない中での韓国・延坪島への砲撃事件(延坪島砲撃事件参照)。今後何時第二の朝鮮戦争が勃発してもおかしくない現状を考えれば、早急に日本の国防問題を解決しなければいけないが、今の無能な菅・仙石を中心とする民主党政権では危なっかしくて見ておれない。菅氏等にもし国民や国家のことを思う気持が少しでもあるのなら己の能力を悟り、一日も早く自ら政権から下りるべきであろうことを最後に付け加えておきたい。
(1枚目の画像は炎上するアメリカ海軍戦艦「アリゾナ」、2枚目:台湾の玉山東峰、左・3869mと玉山主峰、右・3952m。Wikipediaより。)
参考:
ニイタカヤマノボレ 2009.12.05
http://www.mars.dti.ne.jp/~saitota/2009/hitori091205.htm
※1:対米英宣戦布告演説(東条英機首相)
http://rasiel.web.infoseek.co.jp/voice/tojo.htm
時事ドットコム:特集 真珠湾攻撃
http://www.jiji.com/jc/v2?id=20091207attack_on_pearl_harbor
東京外国語大学 2003年度 歴史学(日本史I)
http://homepage3.nifty.com/a-yamada/rekisigaku2002.html
大東亜戦争研究室
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/2687/home.html
近代日本戦争史概説
http://yokohama.cool.ne.jp/esearch/kindai/kindai-annai.html
シルバー回顧録
http://homepage3.nifty.com/yoshihito/index.htm
12月8日「レノンズデー(Lennon's day)」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/724c2bc19f30c1b302954229c06f7d4c
6月29日「ビートルズ記念日」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/b389558e02978dc0affa8f906a3ae68f
Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴの公式サイト
http://www.dreampower-jp.com/
真珠湾攻撃 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%8F%A0%E6%B9%BE%E6%94%BB%E6%92%83
北朝鮮による韓国・延坪島砲撃 - Yahoo!ニュース
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/north_korea_attack_on_yeonpyeong_island/
YouTube-尖閣諸島中国漁船衝突事件 流出ビデオ 1/6.flv
http://www.youtube.com/watch?v=Ujq9ztBLN1E&feature=related
YouTube-仙谷由人 「自衛隊は暴力装置」・・・「訂正して実力組織と致します」
http://www.youtube.com/watch?v=y07Wzdgt_X0