今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

サボテンの日

2010-03-10 | 記念日
日本記念日協会の今日3月10日の記念日に「サボテンの日」があった。
記念日の由来を見ると”サボテン類の生産額日本一を誇る岐阜県本巣郡巣南町にある「さぼてん村を経営する株式会社岐孝園が制定した日だそうで、日付けの由来は3 と10で、「さ(3)ぼてん(10)」の語呂合わせから。また、サボテンは3月に花を咲かすためという意味もある。”からだそうだ。
サボテンはサボテン科(Cactaceae)に属する植物の総称であり、茎は多肉質で、葉はとげ状。花は花びらと萼(がく)の別がない。
その多くは多肉植物であるため、多肉植物の別名として使われることもあるが、多肉植物は、葉、茎または根の内部の柔組織に水を貯蔵している植物の総称であり、さまざまな系統がある。サボテン科、アロエ科ハマミズナ科ベンケイソウ科などのごく一部の種などもそうであり、砂漠や海岸のような乾燥地帯に生育するものが多い。多肉植物のうちで、サボテン科が非常に種類の多いグループ(2000種以上あるという)であるため、一般に園芸業界では「サボテン」とそれ以外の「多肉植物」とに分けて呼ばれることが多いようだ。
サボテンはもともと南北アメリカ大陸の乾燥地帯、海岸から高山にまで分布自生していたものであり、恐らく1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見した時、ヨーロッパに持ちかえったのだろうという。
サボテンを英語では、「カクタス(Cactus)」と呼んでいるが、これは、ギリシャ語のトゲの多い植物という意味の「カクトス(Kaktos)」からきているようだ。それが、ラテン語に取り入れられて「カクタケア(Cactacea)」となり、英語の「カクタス(Cactus)」となったことは、サボテンが、もともと南アメリカに自生していたことから、ギリシャ語のnotos(南の)+kaktos(=actusトゲのある)植物の属を「Notocactus(ノトカクタス属))」と、また、ギリシャ語のechinos(ヤマアラシのような)+cactus(トゲのある)植物の属を「Echinocactus(エキノカクタス属)」、大きい・強いトゲに関連して、ラテン語のferus(荒々しい)+cactus(トゲのある)植物の属を「Ferocactus(フェロカクタス(属))などと呼んでいることからも窺い知れるという(以下参考の※:「What's in a Name? 植物から名前をつけてみる【仙人掌、サボテン」参照)。
パソコンで“サボテン”を漢字に転換すると、“仙人掌”と出る。面白い字なので、広辞苑で、「サボテン」を引くと、見出しが“サボ-てん(カタカナの「サボ」+ひらがな「てん」)”となっていて、漢字には“仙人掌”の字が当てられ、“石鹸の意のポルトガル語sabaoと「手」との合成語の転”・・・と説明されている。
サボテンは、16世紀後半に当時南蛮人(ポルトガル人等)と呼ばれる人達によって日本に持ち込まれたのが初めとされている。そのとき持ち込まれたのがどのような種類のサボテンかは明確ではないが恐らく「ウチワサボテン」(Opuntia オプンティア属)ではなかったかとされている。彼らが「ウチワサボテン」の樹液をシャボン(石けん)として使っていた。また、「ウチワサボテン」の平たいうちわのような茎(茎節)が「手」(手のひら)に似ているため「シャボン手」と呼ばれるようになり、それが、「シャボテン」になったとする説が有力である。石けん(石鹸)という言葉は日本人が考えた造語で、江戸時代はもっぱら「シャボン」と言う言葉が使用され、明治時代になってから石けんという言葉が使用されるようになったようであり、1960年代ころまでは「サボテン」も「シャボテン」と呼ぶ方が正しいとする人が多かったようだ。私なども子供の頃そう呼んでいたよ。
「サボテン」は、日本で「仙人掌」と呼ぶが、これは、もともと中国語で、あり、中国では、もっぱらウチワサボテンに「仙人掌」(中国語読み:シェンレンチャン)というよび方を使用しているようだ。広辞苑には、「仙人掌」「シャボテン」以外に、覇王樹(はおうじゅ)。いろへろ。さんほてい。などと呼ばれる。”と書かれているが、「さんほてい(三布袋)」は「サボテン」を日本語にしたものと凡その推定が出来る。
「覇王樹」も「仙人掌」同様、中国語であり、「覇王樹」のことは、中国(明)の古文書の高濂(コウ・レン)著「遵生八牋」(じゅんせいはっせん。1591年。以下参考の※:「弦雪居重訂遵生八牋. 目録,巻之1-19 / 高濂 編次 ; 鍾惺 較閲」参照)に記載されており、そこには、「覇王樹、産廣中本肥状生如掌色翠緑、上多米色點子葉生頂上稱為奇樹可也」とあり、広東などの中国南部では、ウチワサボテンを成育していたことが窺えるようだ(さぼてん村HP)。
日本では、江戸時代の本草学の主著「大和本草」(宝永6年=1709年刊行)巻之七 草之三では覇王樹に「タウナツ、イロヘロ、さぼてん」と、また、「花譜(かふ)」(1694年)十二月・草の条には、覇王樹に「イロヘロ」と振り仮名がふられている(以下参考に※:「貝原益軒アーカイブ」参照)が、なんでも、江戸では「イロヘロ」、関西ではタウナツ」と呼んでいたらしいが何故そのような呼び方をするのかはよくわからない。しかし、日本に、サボテンが入ってきた頃には、「覇王樹」の漢字が使われていたようだ。サボテンの語源については、以下参考の※:「わっきーの植物園」「サボテン」の語源について が詳しそうだ。
サボテンは、南北アメリカ大陸及び周辺島嶼(とうしょ)アメリカ州)の乾燥地でみられる種が多いが、中南米熱帯の森林地帯で樹木や岩石上に着生して育つ種(ここ参照)や高山に生える種、北米の湿潤な温帯冷帯に育つ種もあり、その分布域の気候は様々で、低温に弱いものもあれば、氷点下になっても生存できるものもあるという。
先にサボテンと多肉植物は非常によく似ていると書いたが、多肉植物にはないサボテンの特徴として、全ての種が一種の短枝である刺座(しざ)またはアレオーレ(areole)と呼ばれる器官を持っていることだ。基本的に腋芽には刺座が形成され、多くの場合そこにスポット状に葉の変化した刺が密生する。またしばしば刺座は綿毛で覆われており、この棘の付け根にある綿毛の座布団のようなものがあれば、サボテン、これがなければ多肉植物と見て良いそうだ。棘のないサボテンはあっても、刺座のないものはなく、刺座があってサボテンではない、というものはないそうだ(以下参考の※:「I Cactus ! 」の「サボテンと多肉植物の違い」参照)
サボテンの外形は変化に富んでおり、表面に葉の変化したとげや毛があるが、サボテンの最も原始的な形のグループは、コノハサボテン亜科のコノハサボテン属 (ペイレスキア) で、地上部が幹、枝、葉からなっており、発芽時の子葉もあまり多肉化しておらず、長枝につく葉は刺状にならず、木の葉らしい形を維持している。一見普通の樹木と大差のない形態を備えておりサボテンに見えないが、刺座が存在するのでサボテンの仲間と分かる。こうした形の祖先からより多肉植物として特殊化し、長枝の葉が鱗状に退化したウチワサボテン(オプンティア属など)、更に針状に変化していない葉を全くつけないハシラ(柱)サボテンという順番に出現してきたと考えられているようだ。球形のサボテン(玉サボテン)はハシラサボテンの太くて短いものであると見なされているようだ(柱サボテン・玉サボテンの写真等は以下参考の※:「ぱんさのサボテンランド」を参照)
これらを見ていると、サボテンも、もともとは普通の植物だったものが、大陸が砂漠化していった時、葉っぱを丸くしてタンクをつくり、雨が降ったら水を貯えるようにし、また、動物に食べられないようにと、トゲをつけて進化してきたものであろうことが推測できる。
俳句などの季語は「夏」とされている。検索してみると「仙人掌」で読まれているものが以下の句他多く在った(以下参考の※:「俳句情報検索・俳句検索」で仙人掌で検索されると良い)。
「仙人掌の奇峰を愛す座右哉 」(村上鬼城「鬼城句集」)
『ホトトギス』の初期より投句し正岡子規に師事し、高浜虚子の指導を受け『ホトトギス』の有力作者となった村上鬼城を大須賀乙字(以下参考の※:「大須賀乙字」参照)という俳句評論家は、大正6年に出版された『鬼城句集』の序文の中で、「明治大正の御代に出でて、能く芭蕉に追随し一茶よりも句品の優った作者がある。実にわが村上鬼城其人である。」と褒め称えているという(以下参考の※:「村上鬼城-Yahoo!百科事典」及び ※:「鬼城俳句と自画賛」参照)。
サボテンは熱狂的な愛好家が多い植物であり、鬼城も含めて周りにはそのような愛好家が多く居たのだろう。
サボテンは、刺を楽しむ品種(エキノカクタス属など)、花を楽しむ品種(マミラリア属など)や交配によって改良種を作出して楽しむ品種(有星類:兜、鸞鳳玉他)など栽培は個々人の趣味・嗜好により更に細分化されるため、特定品種を栽培する「名人」が品種毎に存在するようだ。又、全国各地にサボテンマニアの同好会が多数存在しているようだ(サボテンの種類などは以下参考の※:「CACTUS」参照)。
花は黄色または白色・赤色があり、美しく、わが国ではもっぱら観賞用に栽培されてきたが、紐サボテン属の果実(ドラゴンフルーツ)やウチワサボテン属の果実(トゥナ Tuna)は主に中南米、北アフリカ、アラブ諸国、スペイン、フランス、ギリシャ、イタリアなどのヨーロッパの国では、一般的な果物であり、ウチワサボテン属はメキシコなどの国では果樹として栽培もされているようだ。また、若い茎節(ノパル Nopal)はメキシコ料理では野菜として扱われている。豊富なミネラルと繊維質、ビタミンを含み、昔から貴重な食物として珍重された大切な栄養源だそうである。さらに傷の手当、熱さましなどの治療、肥満、糖尿病、二日酔い、便秘、日焼けによるシミなどを予防する民間薬としても使われてきたようだ(以下参考の※:「メキシコ ノパル&トゥナ普及促進委員会」参照)。
最後に、サボテンと言えば、かってのニューミュージック(Jポップスの草分け)」を開拓した「チューリップ」のバンドリーダー財津和夫が歌う「サボテンの花」(1975年発売)を思い出す。
思い出つまったこの部屋を 僕もでてゆこう
ドアに鍵をおろしたとき なぜか涙がこぼれた
君がそだてたサボテンは小さな花を作った
春はもうすぐそこまで
恋は今終わった
・・(以下略)・・
いい歌だな~。以下で聞ける。
財津和夫 - サボテンの花 -YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=zLjKK0QNHos
(画像は、コノハサボテン。Wikipediaより)
※:さぼてん村
http://www.saboten.co.jp/
※:貝原益軒アーカイブ
http://www.lib.nakamura-u.ac.jp/kaibara/
※:弦雪居重訂遵生八牋. 目録,巻之1-19 / 高濂 編次 ; 鍾惺 較閲
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ya10/ya10_00934/index.html
※:わっきーの植物園
http://www.geocities.jp/jyfbs502/index.html
※:I Cactus !
http://www.hi-ho.ne.jp/bk_ashiya/cactus.htm
※:CACTUS
http://saboten.sugoihp.com/zukan-c.htm
※:ぱんさのサボテンランド
http://www.mirai.ne.jp/~panther/cactus/index.html
※:俳句情報検索・俳句検索
http://yoshi1.web.infoseek.co.jp/cgi-bin/haikukensaku.html
※:鬼城俳句と自画賛
http://www.kijyou.jp/haiku.html
※:大須賀乙字
http://www23.big.or.jp/~lereve/saijiki/hito/5.html
※:メキシコ ノパル&トゥナ普及促進委員会
http://www.nopal-tuna.jp/
※:What's in a Name? 植物から名前をつけてみる【仙人掌、サボテン】
http://whatsinaname.blog81.fc2.com/blog-entry-275.html
※:サボテン科 Cactaceae
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/cactaceae/cactaceae.htmサボテン-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%9C%E3%83%86%E3%83%B3
サボテン - Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%B5%E3%83%9C%E3%83%86%E3%83%B3/
財津 和夫-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A1%E6%B4%A5%E5%92%8C%E5%A4%AB
※:村上鬼城-Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E9%AC%BC%E5%9F%8E/
サボテンの花 チューリップ 歌詞情報 - goo 音楽
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND2096/index.html
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
貝原益軒 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%9D%E5%8E%9F%E7%9B%8A%E8%BB%92

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