入院して以来、仕事あるいは社会に対して考えてきたことと入院して考えた事・感じた事の間にギャップができており、それを言葉で整理できないでいました。
それが10月26日西日本新聞朝刊の「本と批評」の中の「「新保守主義の作用」を書いた豊永郁子さん」の記事でずばりの言葉を見つけました。
豊永郁子さんは早稲田大学の教授ですが、2005年に難病を患い闘病生活を送られたとのこと。
記事は復帰後の本を紹介したものでしたが、その中にたぶん豊永さんの言葉だろう引用がありました。
「医師も看護師も家族も、みんなやさしい、効率化やコスト削減とは別の世界。医療や福祉をコストの論理で語り始めると、人類が発展してきた社会を否定することになる」。
まさに自分が感じていて、言葉にできなかったことです。
病気の重さは比べるべくもありませんが、それでも入院中は先生、看護師さんそして家族の「自分の回復に力を貸してくれるやさしさ」を感じました。
それらは効率とか収支とかとは無関係のものでした。そして同じように、患者さんと接する現場ではコストのことを優先できないということを感じていたように思います。
あと数日で行政の現場に戻りますが、偶然に見つけた豊永さんの言葉を自分が抱いた感覚と一緒に大事にしていきたいと思っております。