塩野七生さんの「ローマから日本が見える」を読みました。「ローマ人の物語」を途中で投げ出しているので、ダイジェストとして面白く一気に読みました。
各ページおもしろかったのですが、特別付録がためになりました。
イタリアの普通高校で使われている歴史教科書から引用された「指導者に求められる資質は次の5つである。知力。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意思。・・・」はなるほどと思いました。
日本でリーダーの資質としてよく言われる決断力、実行力、判断力は持ってて当たり前で、あらためて採り上げるまでもないことだそうです。
5つの資質のうち、自己制御の能力や持続する意思は努力で身につくというよりは、天性のもののような気がしますので、良きリーダーは生まれながらに決まっているんではないでしょうか。
5つの中で自分がいま一番欲しいもの・・・自己制御の能力ですね。
もう一つ気に行ったパラグラフ・・・同じく特別付録のなかでブルータスに言及したところで
「いつの時代でも、知識人というのは現状洞察能力だけには優れているのですね。今の世の中のどこが間違っているかという現状批判をさせれば、彼らはいくらでも話してくれるし、鋭いことも言う。でもそこから先の具体的な提案には少しも進まない。・・・」
今の日本は知識人だらけです。
塩野さんが好きになりました。