本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「昭和史戦後篇」半藤一利著

2012-02-25 09:48:26 | 本・雑誌、読書
「ライフネット生命社長の常識破りの思考法」を読んで、その中で紹介されていた半藤一利著「昭和史戦後篇」を読みました。
実はずっと前から読みかけにしていました。
1926年から始まる「昭和史」は一気に読み進んだんですが、戦後史になってからは、ドラマがないというか、淡々と進んでおり、読むのにちょっと気力が必要で、いつのまにかほっぽらかしになっていました。

それでこれを機会にまた読み始めたのですが、昭和生まれの自分としては結構リアルに知っていることが多い時代に入っており、なかなか楽しく読めました。
かつて子どもの頃にテレビニュースで見たことは、こういうことだったのかと知っているつもりだった昭和が、歴史の視点を通して少し理解できました。

その中で最もそうだったのかと思ったのは、政治家が国の一大事を脇に権力闘争をしていたのは今も昔も変わらないんだなということ。
人間は権力を求めて、その欲望が国を作り、歴史を作ってきたんだろうけれど、戦後日本の政治の世界の権力闘争って、コップの中の争い。

それでも戦後すぐは、争い方のスケールが大きかった。
日米安保の是非とか軽軍備&経済成長優先とか、選択によって国の方向性が変わってしまうものについて、しっかりと自分の方針を打ち出し、責任を背負って他の政敵と闘った。

それに比べて・・
これをやります、あれをやりますと国民に言いつつ、政敵とは裏で懐柔、妥協。

単にあんまり近過ぎてくだらなく写っているだけですかね。これが歴史になった時、政争をやっていたけど、結構いろんなことやったよねってことになるのかな。。


この本の締めくくり、作者が「横町の隠居なりのお節介な忠言」として書いておられますが、
「今の日本に必要なのは何か?一つには、無視になれるか。(中略)二つめに、小さな箱から出る勇気。(中略)三つめとして、大局的な展望能力。(中略)四つめに、他人様に頼らないで、世界に通用する知識や情報をもてるか。(中略)五つめ、「君は功を成せ、わらは大事を成す」(吉田松陰)という悠然たる風格をもつことができるか(後略)」
ここのところ、好きですね。

これでまた次は「吉田松陰」本が気になるではないですか・・


コメント
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