夢七雑録

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深川七福神

2009-12-29 22:59:17 | 七福神めぐり

 富岡八幡を起点として、江戸の絵図の上で、深川七福神を巡拝してみる。順路は、富岡八幡(恵比寿)―冬木弁天堂(弁財天)―心行寺(福禄寿)―円珠院(大黒)―竜光院(毘沙門天)―深川稲荷社(布袋)―深川神明宮(寿老人)である。

(1)富岡八幡(江東区富岡1-20)

 永代橋を渡って料理屋が並ぶ門前仲町を通り、富岡八幡に行く。富岡八幡宮は江戸最大の八幡宮であり、その祭礼は江戸三大祭りの一つに数えられている。また、八幡宮の西側にある、別当寺の永代寺には、池を中心に人工の富士や石組を設けた広い庭園があり、春には一般公開されるという(現在、永代寺は廃寺となったが、その名を継いだ子院が、深川不動尊の門前にある。また、庭園は無くなって、今は深川公園となっている)。

(2)冬木弁天堂(江東区冬木22)
 富岡八幡を出て、深川三十三間堂(現在は無い。江東区富岡2)の前を通り、橋を渡って水路(高速道路9号線の下にあった油堀川)に沿って左に折れる。途中で右に折れ、幕府賄方が居住する大縄地(江東区冬木)を抜けると、堀割(現在は無い)がある。堀割の向こうが冬木町で、木場の材木商・冬木弥平次の邸内に弁財天が祀られているが、私邸内の弁財天ゆえ遙拝して済ます(この弁財天が冬木弁天堂の前身だが、一般の参詣が許されたのは明治以降のことである。なお、現在の七福神巡りでは、富岡八幡の西側の道を北に行き、葛西橋通りを渡って右に行くのが順路である)。

(3)心行寺(江東区深川2-16) 
 賄方大縄地から蛤町を通って西に行き、富岡橋(現在は無い)を通る道(清澄通り)に出て右に行く。深川の閻魔で知られる法乗寺(江東区深川2)を過ぎて、心行寺に出る(現在の道順では、冬木弁天堂から葛西橋通りを西に行き、清澄通りに出て右に折れて、心行寺に行くことになる)。

(4)円珠院(江東区平野1-13)
 心行寺を出て、仙台堀川を海辺橋で渡り、そのまま進むと、浄心寺(江東区平野2)への参道がある。浄心寺の中を抜けて、本堂の裏手にある円珠院に行く。円珠院は浄心寺の塔頭で、深川の大黒天として知られる寺である(江戸時代の円珠院は、浄心寺本堂の東側にあったが、現在は、浄心寺の西側にあるので、道順は少し異なっている)。

(5)竜光院(江東区三好2-7)
 浄心寺の裏門から出て深川山本町(江東区平野2)を通り、堀割(福富川。現在は公園になっている)を渡る。水路に沿って北に行き、元加賀町の通り(江東区三好3)に出て右折し、すぐ左折すると雲光院(江東区三好2)の前を通る道(江戸資料館通り)に出る。ここを左に行き、雲光院の塔頭である竜光院に行く(当時の竜光院は、雲光院の西側に位置していたが、現在の竜光院は、雲光院の南側にあるため、現在の順路では、円珠院から北に行き、次の信号を右折。次の信号の所が竜光院である)。

(6)深川稲荷神社(江東区清澄2-12)

 雲光院を出て左に行き、右に折れ左に折れ右に折れると、小名木川の川岸に出る。ここを左に行くと高橋に出る。橋を通る道(清澄通り)を渡って、海辺船大工町(江東区清澄3)に行き、少し先の裏町を左に入って、稲荷社に行く(現在の順路では、江戸資料館通りに出て西に行き、清澄通りを渡って、清澄庭園の北側を歩き、正門の所から北に進んで、清州橋通りを渡って、深川稲荷神社に行く)。

(7)深川神明宮(江東区森下1-3)
 稲荷社から戻って小名木川河岸を西に行くと、万年橋に出る。富士が良く見えることで有名な場所である。橋を渡り、右に折れて六間堀(現在は無し)に出る。堀に沿って北に行き、中橋(現在無し)を渡って堀沿いに行き、次の角を右に入ると、神明宮に出る(現在の順路では、深川稲荷神社から西に行き、萬年橋を渡り、そのまま北に行って、芭蕉記念館の前から東に行けば、深川神明宮に出る)。帰りは籾蔵の横を通って新大橋に出る(現在なら、地下鉄の森下駅が最寄り駅になる)。


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