亀戸天神は、湯島天神と同じく、関東三大天神の一つになっている。亀戸天神については“亀戸天神と香取神社の梅まつり”という記事を以前に投稿しているので、今回はルートを変えて歩く。錦糸公園を通りオリナスを抜け蔵前橋通りに出て、横十間川を天神橋で渡る。船橋屋の少し先が亀戸天神の入口となる。
梅まつりは始まったばかりで、まだ開花していない梅の木が多数派を占めるが、正面の鳥居近くの紅梅は咲始めており、大宰府の飛梅の実生に由来する紅梅殿の梅もすでに咲いている。白梅は本殿の横のほか、境内の所々で咲き始めている。
亀戸天神は、菅原道真の末裔であった大宰府天満宮の神官が、亀戸村の祠に神像を祀ったことに始まる。明暦の大火後、亀戸は江戸に組み込まれていき、鎮守の役割を担った天神社は、寄進された土地に大宰府の天満宮を写して、東国の天満宮の宗社となる。今は往時の姿を留めているわけではないが、格式のある天満宮として、東京十社の一つになっている。
蔵前橋通りを先に進むと、明治通りとの交差点の角に、亀戸梅屋敷という施設があった。むかし、北十間川近くにあって臥龍梅で知られた梅屋敷の名を利用したらしい。この施設は平成25年の開館で、観光案内所、物産店、ギャラリー、寄席が並んでいる。この日は閑散としていたが、イベントのある日は混雑するのだろう。
亀戸駅を通り過ぎて京葉道路を左に行く。以前に投稿した“気ままに亀戸散歩”という記事でサンストリート亀戸を取り上げたが、行ってみると既に解体工事が進んでいた。それでは、サンストリート内に祀られていた貧乏神さまは何処に移られたのだろう。
サンストリートの横にある都電軌道跡の亀戸緑道公園を歩き、人道橋に出て堅川河川敷公園に下りる。頭上の高速道路は見ない事にして公園内を進むと、赤い太鼓橋が見えて来る。平成24年に開園した三代豊国五渡亭園という庭園で、高速道路下の河川敷ゆえ緑は少ないが、想像で補えば日本庭園になる。五渡亭とは浮世絵師の三代豊国の画号で、堅川の五つ目の渡しの株を持っていたからという。
五之橋の下にはプリントした浮世絵を並べたギャラリがある。自転車に注意しながら見て回り、それから橋の上に出る。ここから、少しばかり歩けば亀戸駅となる。