夢七雑録

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ニューヨーク(2)

2010-05-19 22:30:20 | 大正時代の絵葉書による海外の旅

 上の絵葉書は、バッテリーパーク近くのボウリング・グリーンから始まるブロードウエイの写真です。当時、ここからシティ・ホール・パークまでの間が金融地区の中心で、世界的にも最大級の、また最も高いオフィスビルが集まっていました。絵葉書の説明書きには、代表的なビルとして、アダムス・ビル、シンガー・ビル、エキタブル・ビル、ウールワース・ビルの名があげられています。この写真では、道の奥にウールワース・ビルが見えています。ところで、この写真には路面電車が写っていますが、よく見ると、軌条が三条あります。景観を重視して暗渠式による地中給電方式を採用していたため、第三軌条から集電していたようです。

 次の絵葉書は、シンガー・ビルを写した写真です。シンガー・ビルは、ブロードウエイとリバティ通りの角にあったビルで、高さは186.7m。1908年に建てられた時は世界で最も高いビルでした。このビルは、残念ながら1970年に取り壊されてしまいました。絵葉書の説明書きによると、このビルには5000のテナントが入っていて、16台のOTIS製エレベータが設置されていました。このビルの建設で採用された基礎工法はケーソン工法で、岩盤に36個の潜函を沈めて基礎としていました。

 次の絵葉書は、世界一の高さ241.6mを誇っていたウールワース・ビルの写真で、建てられた1913年に写したものです。この絵葉書は夜景となっていますが、昼間に撮影したビル街の写真に夜空を組み合わせたものかも知れません。このビルは、1929年に高さ世界一の座を譲りましたが、今もなお、ニューヨーク有数のビルの一つとして存続しています。説明書きによると、基礎はケーソン工法を用い、費用は1500万ドルとなっています。なお、写真の左側に見えているビルはシティ・インベスティング・ビルのようです。また、その後ろに見えているのはシンガー・ビル、左下に見えている建物は中央郵便局(旧)でしょう。 


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