夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

3.11とパンドラの箱とクラインの壺

2022-03-11 15:18:38 | Weblog
あの日、訪ねてきた友人が帰った直後の長い揺れ。
テレビをつけたらNHKでアナウンサーが「巨大津波の恐れがあります!」と叫んでいるのでこれは只事ではないと実感しました。
11年前なのに昨日のように思い出されます。確かあの日は北信濃も春の雪が舞って寒い午後でした。
冷たい海に呑み込まれ犠牲となられた人々に合掌。

11年後の今は。
この時代にロシアがウクライナに攻め込むなんていう、全く理解できない不条理な事態が起きるとは。
これはどう考えてもロシア側、プーチンが悪いのは間違いありません。プーチンの論理は支離滅裂です。

更に問題なのが日本で一部に「それ見たことか」と考える人間が目立つようになってきたこと。
彼らの主張はこの事態に今こそ憲法改正、直接の表現ではないにしても自衛隊を軍隊にして核兵器も持つべきという、歴代政府が避けてきた議論です。
昔なら一笑に伏された「徴兵制」という言葉が今は笑えない状況になってきました。
まるでパンドラの箱を開けようとしているように見えます。

日本政府は先頭に立って安倍元総理を特使でロシアに派遣すべきでしたが、機を失したどころかアメリカと核の共有を言い出す始末。
安倍氏はプーチンとお友達のはずじゃなかったんでしょうか。

アメリカ政府の動きも変です。
政府関係者がそれを言うかと思うことをメディアに後追いで喋ってまるでロシアのやることを追認しているかのようです。
「アメリカは世界の警察官」という言い回しが日本にありますが、あれはノー天気なアメリカ人が言うのはともかく日本人が言っちゃあいけません。
今のところウクライナの状況で世界の警察官は何の役にも立っていません。

経済界の動きは意外に敏感で、今のところ戦争特需を狙っている企業はなくロシアからの撤退が進んでいるのは自身のためとはいえ正常な神経だと思います。
朝鮮戦争の折り、特需で甘い汁を吸った経営者と「どこかで戦争があれば景気が良くなる」と考える人間は、もう居ないようでそこは安心です。

今の世界の状況を考えると暗澹たる思いです。
まるでみんながクラインの壺の中を右往左往、メビウスの輪を堂々巡りしているように見えてきます。
それは私自身も同じでいつまでたっても堂々巡りです。

なにもかもが不条理。
コメント
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